ハンセン病 差別と偏見との戦い

元患者の家族59人が提訴     2016年2月15日  

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ハンセン病の元患者の家族が、国の誤った隔離政策で深刻な差別被害を受けたとして、国に謝罪や賠償を求める裁判を熊本地裁に起こしました。家族の被害をめぐる集団訴訟は初めてとなります。

訴えを起こしたのは、熊本や東北などに住むハンセン病元患者の子どもや配偶者ら県内外に住む37歳から92歳の男女59人です。訴状では、国はらい予防法が廃止される1996年(平成8年)まで隔離政策を続け、患者だけでなく家族への差別・偏見を助長。治療薬の普及などで遅くとも1960年以降は隔離の必要がなくなったのに、差別・偏見を解消する措置を講じなかった、と指摘しています。

この結果、家族は地域社会や学校で差別され、婚約の破談や離婚、一家離散や転職を余儀なくされたり、結婚や就職などでも家族であることを隠して生きることを余儀なくされたということです。原告は国に対して謝罪と総額3億5000万円あまりの損害賠償を求めています。

提訴後に記者会見した林力原告団長(91)は「訴訟を通じてハンセン病についての歴史や課題から明らかにしてもらいたい」と話しました。

ハンセン病をめぐっては2001年(平成13年)、熊本地裁が1960年以降の隔離政策を違憲とする判断を示しましたが、家族への被害については対象外とし、国の和解一時金(補償金)も支払われていません。しかし2015年9月、鳥取地裁は元患者の家族の訴えに対し、時効などを理由に請求自体は棄却したものの、家族の被害についても国に賠償責任があるという判断を示していました。

弁護団は3月29日に第2陣の提訴を予定していて、原告数は100人を超える見通しだということです。 

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