くまもと「鉄」のページ

多様な列車が走る「鉄道の王国」

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熊本県内にはJRのほか、明治時代から営業する私鉄、市電、さらには旧国鉄から運行を引き継いだ第三セクターまで、さまざまな鉄道路線が混在しています。JR九州が新幹線からSLまで走らせているほか、九州各地を走る豪華寝台列車「ななつ星」も大人気です。個性ある観光列車も多く、第三セクターでは南阿蘇鉄道の「トロッコ列車」やくま川鉄道の「田園シンフォニー」、肥薩おれんじ鉄道の「オレンジ食堂」などユニークな車両もたくさん走っています。また、熊本電鉄では全国から譲り受けた中古車両が元気に動いています。熊本県は個性あふれる多種多様な列車に乗れる鉄道ファンには大変楽しい場所なのです。

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15.jpg新幹線からSLまで

2011年3月に全線開業した九州新幹線が南北を貫く一方で、SL人吉(熊本〜人吉、写真上)まで、多くの列車を走らせています。豊肥線には「あそぼーい!」(熊本〜宮地)、「九州横断特急」(熊本〜別府)が走り、三角線には「A列車で行こう」(熊本〜三角)、肥薩線は「いさぶろう・しんぺい」(熊本〜人吉~鹿児島県吉松)が走っています。山と海、四季の沿線の風景は異なり、熊本の自然の雄大さと豊かさを感じることができます。ただ、地震で豊肥線が大きな被害を受けたため、九州横断特急は阿蘇〜豊後萩間での運行となっており、あそぼーい!は運休が続いています。

JR九州の特集ページは yubiyubi.png こちら

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15.jpg「青ガエル」引退

160214lasyrun17_R.jpg緑色のボディと愛嬌のあるデザインで多くの鉄道ファンを魅了してきた旧東急5000系、通称「青ガエル」の国内最後の車両が59年の現役生活を終え、2016年2月14日、熊本電鉄を走っていた最後の1両が引退しました。引退したのは東急電鉄の通勤・通学電車として製造された5000系(初代)のうちの1両、「5101A」です。

ラストランのハイライト動画は yubiyubi.png こちら

5000系は熊本電鉄のほか、松本電鉄、福島電鉄など地方の中小私鉄に譲渡されましたが、老朽化が進んで現役車両は熊本電鉄上熊本~北熊本駅間3・4キロを走る「5101A」だけになっていました。その車両が2016年2月14日に引退したことで、東急5000系はすべて引退することになったわけです。

15.jpg動く「鉄道博物館」

熊本市北区の熊本電鉄北熊本駅には車両整備工場も併設されていて、ホームからレトロな車両を見ることができます。すべて、東急電鉄、南海電鉄や東京メトロなど、ほかの鉄道会社で使われた中古車両です。中には1928年(昭和3年)製造の車両もあります。この車両はさすがに乗客を乗せて走ることはありませんが、駅の構内で電車を入れ替える時、ほかの車両を引っ張るのに使われています。

鉄道ファンの有志が「鐵道創研 青ガエル保存プロジェクト」で募金活動を展開したこともあり、5101Aは動態保存されます。引退後も青ガエルは車庫を出入りしており、運が良ければ北熊本駅から動く青ガエルを見ることができます。なお、引退した東急5000系の後は、東京メトロ銀座線01系車両が走っています。

熊本電鉄のホームページは yubiyubi.pngのサムネイル画像のサムネイル画像 こちら

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15.jpg地震で大きな被害

nantethu.jpg熊本県内を走る第三セクターの南阿蘇鉄道は、立野から阿蘇五岳(中央火口丘)と外輪山の間を走り高森に至る旧国鉄高森線(立野~高森間17.7km)を走ります。立野~長陽間にある立野橋梁は日本最長 の鉄道用トレッスル橋〈末広がりの橋脚が支える橋)で、日本一長い駅名の「南阿蘇水の生まれる里白水高原駅」があります。

阿蘇の自然を楽しみながら走るトロッコ列車が有名です。高森線は高千穂線とつながり九州中部を横断する幹線鉄道となる予定でしたが、高森トンネルの工事中に異常出水が起き工事を断念し、観光列車となっています。

熊本地震では高森線の全線が被災し、線路に土砂が流入し、トンネルに亀裂が入り、橋台が移動するなど甚大な被害を受けました。国は高森線の災害復旧調査に約2億円を充てるなど復旧を支援するほか、全国の第三セクターなどからも支援が寄せられています。

被害が比較的小さかった中松~高森間約7キロで7月末に運転を再開します。4月14日以来108日ぶりの運行です。

南阿蘇鉄道のホームページは yubiyubi.png こちら

熊本にはこのほかにもさまざまな列車が走り、熊本市内では市民の足として市電も活躍しています。

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南阿蘇鉄道復旧に向け 国の財政支援拡充を要望        2017年6月7日 

170607南阿蘇鉄道陳情_R.jpg南阿蘇鉄道再生協議会の会長を務める田嶋徹副知事(写真中央)と南阿蘇鉄道の社長を兼務する高森町の草村大成町長(写真左端)が国土交通省を訪れ、財政支援を求める要望書を手渡しました。田嶋会長は「東日本大震災並みの復旧に対する財政支援をお願いしたい。切なる要望です」と述べました。

南阿蘇鉄道は熊本地震で線路やトンネルが被災し、全線復旧には最大で70億円かかる見込みです。要望書では従来は復旧費の4分の1とされる国の負担割合を2分の1に引き上げ、地元の負担額を減らすよう求めています。国交省の担当者は「必要な支援についてしっかり検討していきたい」と話しました。

協議会は今後財政支援の裏付けとなる再建計画を取りまとめる方針です。

「ななつ星」が2018年春から再び阿蘇へ            2017年5月29日

1705297hoshiA.jpgJR九州の青柳俊彦社長は記者会見で、豪華寝台列車「ななつ星」のルートを2018年3月から変更し、再び阿蘇地方に乗り入れると発表しました。「ななつ星 in 九州」の3泊4日コースについて、熊本地震の影響で運行ルートから外れていた阿蘇駅に再び乗り入れます。新たなルートでは大分から阿蘇駅に入り列車内に泊まり、駅のレストランで朝食をとるという日程が組み込まれるということです。

新たなルートでは人吉での立ち寄り観光も加わりました 。JR九州では「震災から復興に向かう元気な九州を体験してもらいたい」と話しています。

「あそぼーい!」阿蘇での定期運行復活へ          2017年4月25日

170425asobo-i.jpgJR九州の青柳俊彦社長が記者会見で、熊本地震後に県内での運行を休止している観光特急「あそぼーい!」が、7月から阿蘇地域で定期運行すると発表しました。7月8日~12月24日の土、休日などに、大分、別府~阿蘇駅間を1日2往復します。「あそぼーい!」は地震後に貸し切りで阿蘇地域を運行していますが、定期運行で阿蘇地域を走るのは1年3か月ぶりとなります。

「あそぼーい!」は、親子シートや子どもの遊び場を備えた観光列車です。豊肥線熊本~宮地駅間を運行していましたが、熊本地震による土砂崩れなどで一部区間が不通になったため、博多~門司港駅など熊本県外で運行されてきました。

記者会見したJR九州の青柳俊彦社長は「『あそぼーい!』を走らせることで大分方面から阿蘇へ列車で行けることをアピールし、観光活性化を期待したい」と話し、「あそぼーい!」が阿蘇観光の復興を後押しすることに期待感を示しました。

「SL記念日」前に人吉でおもてなしイベント         2017年4月22日   

170422SLA.jpg人吉市で、SL人吉のおもてなしイベントがありました。

人吉温泉観光協会はSLが復活した4月25日を「SL記念日」として行事を行っていますが、今年は記念日を前にした土曜日にイベントを開きました。観光協会など11団体の約50人が、SLが駅に到着するのに合わせてモチをつき、乗客にお茶とともにふるまいました。SL人吉は今年は3月18日から運行をはじめ、11月19日まで週末や祝日を中心に運行する予定です。

漫画家ら117人の「がんばれ!」 南阿蘇鉄道によせがきトレイン  2017年4月15日

170415minamiaso.jpg170415minamiaso2.jpg南阿蘇鉄道の高森駅で「南阿蘇鉄道復活祭 ~4thSTAGE~」と題したイベントが開かれ、新たなラッピング列車「マンガよせがきトレイン」の出発式が行われました。

「マンガよせがきトレイン」は、南阿蘇鉄道の全線復旧を応援しようと、117人の漫画家や原作者がイラストを描いて実現した列車です。

この日は南阿蘇村の小中学生や高森高校の生徒たちが招待され、列車に乗り込みました。この列車は8月31日まで高森駅~中松駅間を平日は1往復、土日祝日は2往復が運行されます。

混雑解消の切り札に5014号 「還暦」に現役復活     2017年3月27日

1703265014A.jpg2009年(平成21年)まで運行していた熊本市電の「5014号車」(2両編成)の車両を復活させ、運行を始めました。

熊本市電「5014号車」は1957年(昭和32年)に川崎車両(現・川崎重工)が製造した2両固定編成の連接車で、車体の間に「OK-10型」台車があるのが特徴です。元は西日本鉄道(西鉄)の福岡市内線を「1014号」として走っていましたが、福岡市内線が廃止されたため、1978年(昭和53年)に熊本市交通局が西鉄から購入。約30年熊本市電を走り、独特のツートンカラーの車体が市民に親しまれていました。

老朽化に加え、電気系統やギアの不具合のため2009年に「休車」扱いとなって、上熊本車両基地に眠っていましたが、2両編成でワンマン電車の倍近い130人の乗客を運ぶことができるため、市が通勤通学の時間帯の混雑を解消するため西鉄に修理を依頼。川崎重工、東洋電機、西鉄も協力して製造を終えていた部品を特注で製造し、西鉄筑紫工場内で大規模修理を行い、8年ぶりに製造から60年目の「還暦」の年に現役に復活しました。

熊本市交通局の島田裕士電車課長は「昔ながらの電車を好まれた方にとっては懐かしい思いの電車ではないでしょうか。古いですが、ずっと長く走って頑張ってもらい、可愛がっていただけたらと思っています」と話しています。

170509N5014.jpg熊本市交通局は5月9日、5014号車の現役復帰を記念して「Nゲージ」模型(サイズ150分の1、写真左)を300台限定販売し、交通局には発売前から長い列ができました。300台は発売から約5時間で売り切れました。

停車時間に合格祈願? くま川鉄道無人駅ホームに拝殿   2017年3月24日放送

相良村のくま川鉄道川村駅のホームに、神社の拝殿が出現しました。地元で伝統建築をまなぶ球磨工業高校の生徒が<製作しました。絵馬をつるす掲示板もあり、列車の停車時間に参拝する人もいるそうです。

豊肥線、まず肥後大津~立野間の復旧工事に着手      2017年3月21日

170321houhiA.jpgJR九州の青柳俊彦社長は記者会見で、熊本地震で被災した豊肥線の復旧工事に4月から着手すると正式発表しました。4月1日に肥後大津駅近くに復旧事務所を設け、大規模な土砂崩落がない肥後大津~立野駅間の復旧工事を先行して進める予定です。

豊肥線は熊本地震以降、肥後大津~阿蘇駅間で不通のままとなっており、JR九州はバスによる代替輸送を行っています。青柳社長は「列車の復旧のことを考えると、立野までの区間が早めに復旧できると考えている」と述べました。全線開通時期はなお未定ですが、トンネルや橋など一体的に工事を進め、復旧を急ぎたいとしています。

ただ、土砂崩れに巻き込まれた区間の復旧は県による治山工事の完了が前提になります。立野~赤水間で起きた阿蘇大橋の崩落現場では、橋梁が損傷し、線路も大規模な斜面崩壊で跡形もなくなっています。この区間では国が復旧工事を進めていますが、治山工事のめどが立っておらず、運転再開までは最短でも1年はかかる見通しです。

新観光特急「かわせみ やませみ」が運行開始         2017年3月4日

JR九州の新しい観光特急列車「かわせみ やませみ」が3月4日のダイヤ改正に合わせ、運行を始めました。熊本駅での出発式には多くの鉄道ファンが詰めかけたほか、沿線には多くの住民が出て、新しい特急列車を歓迎しました。

「かわせみ やませみ」は、鹿児島線と肥薩線をまたぐ形で熊本~八代~人吉間を片道90分ほどかけて毎日3往復します。列車の名称の由来は、沿線を流れる球磨川に生息する鳥の名前。デザインは豪華寝台列車「ななつ星」や、JR九州の観光列車を手がけてきた水戸岡鋭治さんが担当し、気動車をリニューアルして新しい特急車両を仕立てました。

外観のカラーリングは、「かわせみ」が青、「やませみ」が緑を基調にしており、青は球磨川、緑は球磨地方の森をイメージしています。車内も外観に対応した色が使われているほか、森をイメージした2号車やませみの車内は、人吉球磨産のヒノキがカウンターやテーブルの一部に使われているほか、床材などにはスギが用いられている。客室内には八代産のい草を使ったのれんが取り付けられています。座席は2両とも、リクライニングシート、ボックスシートのほか、窓向きのカウンター席、やませみにはベンチシートもあります。

このほか、展望スペース、360度カメラによるVR映像(疑似体験映像)コーナー、軽食などを販売するサービスカウンターが設けられています。車内販売では「球磨焼酎」が楽しめるほか、郷土料理の「つぼん汁」、旬の食材を使った弁当やスイーツなども販売されます。

列車は熊本駅を出ると、人吉駅までの間に新八代、八代、坂本、一勝地、渡に停車します。坂本駅や一勝地駅では、停車時間にあわせて特産品なども販売されます。人吉駅からは別の観光列車「いさぶろう・しんぺい」や、隣接する人吉温泉駅からくま川鉄道の観光列車「田園シンフォニー」に乗り換えることもできます。

くま川鉄道が 「福来朗駅長幸福きっぷ」        2017年2月9日

170209hukurouA.jpgくま川鉄道が「福来朗駅長幸福きっぷ」の販売を始めました。発行日の平成29年2月9日の「ふくふく」のごろ合わせも名前の由来となっています。くま川鉄道のキャラクター、福来朗駅長の台紙もついて、あさぎり駅からおかどめ幸福駅行きの片道乗車券となっています。

台紙込みで240円(税込み)で、3000枚を用意しました。くま川鉄道の下林孝課長は「皆さんに幸福になっていただきたいので皆さんが手にしていただいたときは増刷も考えています」と話しています。きっぷは人吉温泉駅やあさぎり駅などで購入できるということです。

くまモンラッピング列車 東京メトロ銀座線に登場    2017年1月1日

170202ginzasen.jpg東京メトロは、期間限定で銀座線で「くまモンラッピング電車」を運行しています。01系1編成に熊本県PRマスコットキャラクター「くまモン」をラッピングし、1月1日から2月24日まで浅草~渋谷間で運行されます(写真は銀座駅)。

乗降客に熊本地震を忘れずに復興を応援しようと呼びかける狙いがあり、車体には「ガマダセ熊本!!」「WE LOVE KUMAMOTO」などのメッセージも入っています。

ラッピングされたのは銀座線01系の1編成(01-130)6両です。 銀座線は古くなった01系車両を1000系に切り替えており、年度内に40編成の更新を終えます。すでに01系の一部車両は熊本電鉄へ譲渡され、2016年2月に引退した東急電鉄の「青ガエル」の後を継いで走っています。

熊本電鉄では昨年6月から1編成にくまモンのラッピングをしており、約2か月の間、東京都心と熊本でくまモンラッピング電車の"兄弟"が同時に走ることになります。

001-2.jpg熊本県も数寄屋橋にアンテナショップを構えるなど銀座とは縁がありますが、銀座線とくまモンの組み合わせは、東京メトロと熊本電鉄の深い縁から実現したものでしょう。銀座線は東京の地下鉄の中で最も早く建設され、早期開通と工事費節減のためトンネルが小さく、01系車両も小さいのが特徴です。ホームや施設が短く小さい熊本電鉄にとってはちょうどいいサイズで、01系の導入は今後も増えるかもしれません。

見かければ幸運が? 熊本市電イルミ車両今年も      2016年12月1日 

161201市電イルミ.jpg熊本市の冬の風物詩となっている熊本市電の「イルミネーション電車」が今年も1日から運行を始めました。LED電球1万3400個をつけた「レトロ型101号」車両が2017年1月末まで市電全線を走ります。熊本地震があった今年も、例年と変わりなく輝きながら街を走り抜けています。

イルミ車両は1台だけ、運行期間も点灯時間(午後5時~10時ごろ)なので、見かけられればラッキー、乗車できれば幸運が訪れるといわれています。

(写真は12月14日、呉服町電停付近で撮影)

ONE PIECE列車 くま川と南阿蘇を走る      2016年10月29日、11月27日

161127wanpi-A.jpg熊本地震からの復興を応援しようと、南阿蘇鉄道で「ONE PIECE(ワンピース)」のキャラクターや熊本城を描いたラッピング列車の運行が始まりました。原作者の尾田栄一郎さんが熊本市出身で、熊本県内で展開される「ONE PIECE熊本復興プロジェクト」の主要イベントの一つとして、漫画による町おこしに取り組む湯前町と高森町とともに企画しました。

高森駅で行われた出発式には、主人公のルフィ―とりフィー役の声優 田中真弓さんが登場。ルフィ―のかけ声でラッピング列車が列車が登場しました。高森駅前では南阿蘇鉄道復活祭 もにぎやかに行われました。ラッピング列車は高森~中松駅間を1日1~3往復運行します。

161103wanpi=suressya.jpgのサムネイル画像「ONE PIECE」のラッピング列車は、10月29日から人吉市と湯前町を結ぶ「くま川鉄道」でも運行しています。列車内には登場人物のフィギュアが展示され主人公のルフィが車窓の風景などをアナウンスします。車内で記念写真が撮れるほか、ポストカードのプレゼント、オリジナルステッカーがもらえるスタンプラリーも開かれます。

2つの鉄道のラッピング列車は、いずれも2017年2月末まで運行します。

豊肥線不通区間の内牧駅と赤水駅を建て替えへ      2016年10月24日、11月24日

161021utinomakiA.jpgJR九州は熊本地震の影響で不通になっている豊肥線肥後大津~阿蘇駅間(27.3キロ)にある内牧駅を建て替えることを決め、10月24日に取り壊しを始めました(写真上)。駅舎が熊本地震で傾くなどの被害を受けたためです。

161124akamizuA.jpg豊肥線では11月24日から赤水駅の解体作業も始まりました(写真上)。赤水駅駅舎は建てられてから78年がたち、老朽化していた上に、熊本地震で壁に亀裂が入るなどして、安全面の問題が出ていました。解体に伴い、駅舎前の木も伐り倒されました。

2つの駅はともに新しい駅舎に建て替えられますが、その時期は豊肥線不通区間の復旧の度合いを見て決めることになっています。

「あそぼーい!」半年ぶりに阿蘇へ            2016年10月19日

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熊本地震の影響で県外での運行が続いているJR九州の特急列車「あそぼーい!」が半年ぶりに阿蘇市の宮地駅にやって来ました。関西からの観光客20人を乗せて特別に大分駅から運行したもので、企画した旅行代理店では、11月にも2回同じツアーを予定しています。

南阿蘇鉄道不通区間でウォークラリー            2016年10月15日

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南阿蘇鉄道の完全復旧を願い、不通区間を歩く催し「南阿蘇鉄道復興ウォークラリー」が行われました。

地震で不通となっている長陽駅〜中松駅間は、ボランティア団体が線路沿いの草刈りを行っており、ウォークラリーもこのボランティア団体と南阿蘇鉄道が企画しました。

島根県から参加したという女性ら5人が中松駅を出発し、約5キロの線路を歩いて長陽駅を目指しました。

161015walkA.jpg途中では水源から湧き出る水を飲んだり、震災で崩壊した寺の楼門を見学したりしました。沿線には阿蘇の秋景色が拡がり、一行は徒歩で沿線の秋を楽しんでいました。

南阿蘇鉄道が「被災枕木オーナー」を募集        2016年10月8日

1008枕木B.jpg熊本地震で線路やトンネルに大きな被害を受けた南阿蘇鉄道が、被災した枕木を使ったオーナー制度の募集を始めました。

南阿蘇鉄道は土砂崩れなどで長陽~立野駅間が今も運休しています。立野駅の近くでは、保管していた368本の枕木が地震で土砂に埋まりました。南阿蘇鉄道はこの枕木を掘り出し、全線復旧に向けた費用の一部に充てるため、枕木のオーナーを全国から募集することにしました。

1本当たり1万5000円~2万5000円で、オーナーになると名前を刻んだプレートが枕木に1年間貼り付けられるほか、トロッコ列車の乗車券ももらえるということです。

連携して復興めざす 熊本三セク応援切符発売         2016年10月8日     

kumamoto_3seku.jpg第三セクター方式で熊本県内を走る肥薩おれんじ鉄道、南阿蘇鉄道、くま川鉄道の3社は、1枚で3社それぞれ利用できる「熊本三セク応援切符」を8日に発売します。

3社のうち南阿蘇鉄道は熊本地震の大きな被害を受け、一部区間で運転を再開しましたが、依然として全線復旧の見込みがたたない状況です。直接の被害がなかった肥薩おれんじ鉄道とくま川鉄道も、地震後は観光客が激減しています。3社で打開策を話し合い、3社で利用できる乗車券を売り出すことにしました。

三セク応援切符はハガキほどの大きさで1枚3000円。3社の車両が連結されて南郷谷を走るデザインで、計3000枚を限定販売します。肥薩おれんじ鉄道は熊本区間の八代~袋駅間、南阿蘇鉄道とくま川鉄道は全区間(南阿蘇鉄道は現時点では高森~中松駅間)で1日乗車券として使えます。有効期間は2017年9月末までですが、南阿蘇鉄道は全線復旧後3か月間まで有効です。肥薩おれんじ鉄道は八代、日奈久温泉、佐敷、水俣の各駅、南阿蘇鉄道は高森駅、くま川鉄道は人吉温泉、あさぎり駅で販売されるほか、ネット販売も行います。

肥薩おれんじ鉄道でふっこう割の旅を満喫            2016年9月2日

160902orenji.png地震で落ち込んだ観光客を呼び戻そうと、「九州ふっこう割」を活用した「おれんじ鉄道とうたせ船でめぐる水俣・芦北満喫ツアー」が2日から3日にかけて行われました。JR九州が初めて企画したもので、参加者はおれんじ食堂に乗り、車内で出される特産品を味わっていました。

3日は芦北町の美術館などを訪れるということです。

くま川鉄道「田園シンフォニー」で披露宴          2016年8月19日

のどかな風景の中を走るくま川鉄道の観光列車「田園シンフォニー」で19日、列車を借り切っての結構披露宴が行われました。車両を貸し切りにした披露宴はくま川鉄道では初めてです。

160819kumagawa_R.jpg田園シンフォニーに乗り込んだ新郎新婦は、群馬県に住む吉松将吾さんと智恵さん夫妻。実はこの披露宴、人吉市出身の新郎、将吾さんの両親からのプレゼントだそうです。新郎の母、美代さんは「長男の披露宴を球磨川下りで行ったので、今度は列車がいいかなと思った」ということです。夏空の下、車窓に広がる田園風景を楽しみながら、走る披露宴は人吉温泉から湯前へと向かいます。

車内では地元の町おこしグループが歌や踊りで披露宴を盛り上げ、三味線で「おめでとう」の歌を歌う一幕も。くま川鉄道の「おかどめ幸福駅」にちなんだ幸福行き切符も贈られました。終点の湯前駅では新郎新婦がお色直しをした後、地元で人気のロールケーキにナイフを入れました。新婦の智恵さんは関東出身ですが「一生忘れないと思います。皆さんにありがたい気持ちでいっぱいです」と感激した様子でした。

南阿蘇鉄道 一部区間で3か月半ぶりに運転再開           2016年7月31日

minamiasoA.jpg熊本地震後、全線で運休していた第3セクターの南阿蘇鉄道が31日、約3か月半ぶりに一部区間で運転を再開しました。阿蘇の観光復活と地元住民の生活の足としての役割が期待されます。

運転を再開したのは、全長17.7キロのうち、地震の被害が比較的少なかった高森駅と中松駅間の約7.1キロです。午前9時半すぎ、一日駅長を務める地元の小学生の合図で、約80人を乗せた普通列車が高森駅を出発しました。南阿蘇鉄道社長の草村大成高森町長は「新たな力強い一歩を踏み出した。これが全線復旧に向かう一歩になるのではないか」と話しました。

8月末までは、普通列車とトロッコ列車あわせて1日4往復が運行する予定です。高森発は午前9時30分、午後1時、午後2時20分、3時30分。中松発は午前9時50分、午後1時30分、午後2時50分、午後4時です。午前の1往復は普通列車、午後の3往復はトロッコ列車が走ります。

残り区間の復旧のめどは立っていません。特に長陽~立野間は鉄橋やトンネルが大きく損傷し、国が被害調査をしています。南阿蘇鉄道も義援金を募っています(肥後銀行高森支店 普通1406905)。

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夏恒例のJR九州「ビール列車」 今年も出発進行          2016年7月15日

160715beerA.jpg夏恒例となったJR九州の「ビール列車」の運行が今年も始まり、運行初日の15日は、車内のあちこちで参加者から「カンパーイ!」の声があがりました。

ビール列車はJR九州が毎年行っているもので、初日は会社帰りのサラリーマンなどが、熊本駅から八代駅まで往復およそ2時間半の旅をビールを飲みながら楽しみました。参加者の中には「樽が無くなるまで飲む」という人もいました。

ビール列車は熊本~八代、熊本~三角など4つのコースで、7月から8月にかけて、あわせて9本が運行されます。

豊肥線 阿蘇〜豊後萩間で運行再開 九州横断特急が出発    2016年7月9日

160709HOUHI.jpg熊本地震で不通となっていたJR豊肥線の阿蘇~豊後荻(大分県)駅間の運転が9日、地震から約3か月振りに再開されました。

阿蘇駅で記念イベントが行われた後、一日駅長に任命された阿蘇市の佐藤義興市長の合図で、九州横断特急が別府(大分県)に向けて出発しました。この後、別府からの列車が到着し、観光関係者から乗客たちに記念品が贈られました。阿蘇市観光協会の稲吉淳一会長は「私たち観光業者にとっては本当にうれしいのひと言。阿蘇に普通に行っていいんだ、というのをお客さまにアピールできるのではないかと思う」と喜びを語りました。

阿蘇~豊後荻駅間の運転は再開しましたが、阿蘇~肥後大津駅間の運転再開は、まだ見通しが立っていないのが現状です。

元鉄道マンが撮影した鉄道DVDの売り上げを寄付       2016年7月8日

160709MINAMIASO.png地震で大きな被害を受けた南阿蘇鉄道の復興に役立ててほしいと、福岡県の元JR職員、木村和明さん(68)が8日、自分で制作した鉄道DVDの売上金を贈りました。

木村さんは南阿蘇の自然に魅入られ、トロッコ列車などを撮影していました。同じ鉄道マンとして復興に役立ててほしいと、撮影した映像をDVD化し、その売上金を南阿蘇鉄道に贈りました。DVDは、高森駅や長陽駅でも1枚1500円で販売されています。

熊本は元気です! 新たな県の観光ポスター全国の駅に     2016年6月30日

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全国に「熊本は元気です」というメッセージを発信しようと、熊本県は観光地5か所をPRするポスターを作り、30日発表しました。5か所は阿蘇、天草、人吉、宇城、荒尾で、それぞれの代表的観光地をくまモンが案内しています。東京、大阪などJRの主な駅1000か所以上に張り出されます。県では被災した熊本城なども加え、観光客を呼び込みたい意向です。

ななつ星 観光客を呼び戻す 天草支援の旅             2016年6月24日 

160624nanatsuboshi.jpgJR九州の豪華寝台特急「ななつ星」が初めて天草地方に立ち寄ることになりました。観光客が激減するなど、熊本地震の風評被害が出ている天草地方の観光振興につなげるため、ルートの一部を変更します。

天草ルートは八代市の有住駅で下車し、バスとクルーズ船で上天草市の松島港に向かいます。高級レストランで地元の食材を味わった後で、三角駅から観光特急「A列車で行こう」で宇土駅に行き、再びななつ星に乗り込みます。天草に立ち寄るルートは8月と9月に出発する3泊4日のコース、あわせて9本です。

ななつ星の3泊4日のコースは、熊本地震で豊肥線が一部不通になったため、5月から阿蘇ルートの運行を取りやめています。24日記者会見したJR九州の青柳俊彦社長は「ななつ星も立ち寄るぞというアピールをすることによって、天草の観光が少し元に戻ってくるのではないか」と述べました。

「A列車...」で復興けん引を 世界遺産めぐるツアー再開    2016年6月14日

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県内の世界遺産や天草市の崎津集落などを特急「A列車で行こう」やバス、フェリーなどを利用して回るJR九州のツアーが14日、行われました。

JR九州は去年、万田坑や三角西港など熊本の世界遺産を回るツアーを開催しました。これが好評だったことから、今年は世界遺産登録を目指している天草の崎津集落などを入れた新たなツアーを4回、実施する予定でした。しかし、1回目のツアーの直前に熊本地震が発生し、中止となりました。

「A列車」の運行は4月末に再開されましたが、地震の影響で観光客はまだ戻っていません。JR九州は観光客を呼び込むことで復興を応援したいと、2回目のツアーは予定通り実施。地震後初のツアーとなった14日は県内外からおよそ60人が参加し、ツアーに新たに加わった天草キリシタン館や崎津教会を回るなど、観光を楽しみました。母戸で参加した人は「天気が良くていろんなところを見れて、母も震災で最近疲れていたのでよかったと思います」と話していました。ツアーの3回目は今月21日、4回目は30日に行われる予定です。

南阿蘇鉄道応援マルシェ 福岡・天神で              2016年6月10日

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地震の影響で運休している南阿蘇鉄道を支援しようと、沿線のグルメやグッズなどを集めたイベントが、9日と10日、福岡市で開かれました。

福岡・天神のパサージュ広場で開かれた「トロッコマルシェ」には、南阿蘇鉄道の4つの駅ごとにブースが並びました。企画した岡田敏代さん(67)は、2015年まで熊本と鹿児島を結ぶ肥薩おれんじ鉄道の八代駅長を11年間務めていました。同じ第3セクターである南阿蘇鉄道の復旧を手助けしたいと、沿線の店への声かけやのぼり作りまで手がけました。

岡田さんは「駅というのは地域の拠点にもなるし、シンボルなので、早く開けてそこにみなさんが集まるようになったら沿線の復興も早くできる」と考えています。出店した店員さんも「売れましたね。うれしいですね。南阿蘇のものを食べていただいて、また来ていただくのが一番の目的ですから」と話します。

「(南阿蘇には)もう5,6年くらい通っている」という買い物客が訪れると、お店の人は「こんなところで再会できるとまた違った感じで、何か元気づけられている感じがします」と笑顔を見せていました。イベントの収益金は、それぞれの店や南阿蘇鉄道の復旧に使われるということです。

エキナカカフェが営業再開 南阿蘇鉄道再開を待つ主人   2016年5月24日放送 

熊本地震の影響で運転を見合わせている南阿蘇鉄道。地震で休業していた長陽駅のなかにあるカフェが再開しました。

長陽駅のなかにあるカフェ「久永屋」。久永操さんが10年前に開店し、阿蘇の食材を使ったシフォンケーキが看板商品です。常連客が「時間が止まっているかのような安らげる場所、癒しの場所です」というように、無人駅に誕生したカフェは地域の人たちのふれ合いの場となってきました。

そんな風景は、熊本地震で一変しました。駅舎の電気、ガス、水道が止まり、カフェは休業。駅のにぎわいもすっかりなくなってしまいました。自宅も被災し、店の片づけは手つかずだった久永さんがようやく店の片づけを始められたのは地震の3週間後からでした。

「再開の予定が立たないというのはさみしいね」「店を早くやらないかと何度も来ているんだが・・・」鉄道は不通でも、みんなが集まるカフェは再開してほしい、片づけや掃除をする岩永さんのもとに、人が集まってきました。「お元気ですか 僕の家は被害がありませんでした。これからもお元気で」。店のポストには、近所の子どもたちからの手紙も届きました。

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地震から1か月が立とうかという5月12日。久永さんはまず、シフォンケーキを焼くことから再開しました。「きょうはシフォン日和、南阿蘇日和で(ケーキの)配達にはもってこい」。久しぶりに甘い香りが漂い、ふわふわのケーキが焼きあがりました。特製のラベルには応援の気持ちを込めた「頑張れ、南阿蘇」の文字が。まずは常連のお客さんのもとに届けます。お客さんは「おいしい」「ケーキ食べたいと話していたところ」と大喜びです。

復興第一歩ですね。これで鉄道が走れば最高ですけどね。まずは地元の人たちにちょっと安らげる空間を作ってもらうのが狙い。ここから見る景色が好きだった。その1つの理由は鉄道が走っていたから。皆で復興を待っていますというのを発信できたらと思う」と久永さん。カフェは21日から土、日、祝日のみ営業を再開し、カフェが好きだった観光客と、鉄道の再会を待ち続けます。

南阿蘇鉄道の復興を祈念する切符 3セク鉄道4社で販売      2016年4月29日

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一連の地震で大きな被害を受け、全線復旧に30億円以上の費用がかかるとされている第3セクターの南阿蘇鉄道を支援しようと、同じ第3セクターの4つの鉄道会社が、29日から復興祈念切符の販売を始めました。

土砂に埋もれた線路や壁が崩れ落ちたトンネル。歪んでしまった橋。南阿蘇鉄道は地震で大きな被害を受け、立野駅(南阿蘇村)~高森駅(高森町)17・7キロの全線で運転を見合わせています。復興祈念切符は千葉・いすみ鉄道、秋田・由利高原鉄道、茨城。ひたちなか海浜鉄道、鳥取・若桜鉄道の4つ鉄道会社が同時に発売しました。4社の駅の入場券と南阿蘇鉄道の乗車券が1セット1000円で販売され、このうち700円が支援金にあてられます。4社は当面1000セットを販売する予定です。

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南阿蘇鉄道は鉄道を復旧するための義援金を受け付けています。振り込み先の口座は、肥後銀行高森支店・普通1406905 「南阿蘇鉄道株式会社 代表取締役草村大成」です。

南阿蘇鉄道のトロッコ列車が運行開始               2016年3月5日

1607torokko2_R.jpg春の観光シーズンを前に、南阿蘇鉄道のトロッコ列車が運行を始めました。5日には南阿蘇鉄道の高森駅で発車式が行われ、地元の幼稚園に通う藤本康希くん(6歳)が出発の合図をして、今年の1番列車が出発しました。

torokko1_R.jpgトロッコ列車は高森駅から南阿蘇村の立野駅までのおよそ18キロの距離を1時間かけてゆっくり走ります。乗客たちは春らしい陽気の中、南阿蘇の景色を楽しんでいました。

トロッコ列車は11月27日まで土曜、日曜、祝日を中心に1日2往復運行され、春休みや夏休みの期間中は平日も運行される予定です。

青ガエルラストラン 全国から大勢のファン             2016年2月14日  

2016年2月14日に引退した青ガエルを特集した「ありがとう、青ガエル。」の
ハイライト動画を公開しました(2016年3月21日放送、無断転載禁止)

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ラストランとなったこの日は青ガエルの最後の姿を見に全国から多くのファンが駆けつけました。最終走行の後に引退セレモニーも行われ、多くのファンが別れを惜しみました。

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ao_02_R.jpg5000系は1954(昭和29)年に登場し、翌年から渋谷と横浜をつなぐ東横線の花形車両として運行されました。1959年(昭和34年)までに105両が製造され、東急の顔として沿線住民に親しまれました(左は渋谷駅を出発する5000系、1955年10月撮影)。

大きなモーターを搭載できる「カルダン駆動式」と、軽量化するため車体を飛行機の機体のように丸みを帯びた「モノコック構造」とした点が特徴で、高速・軽量化された車両は高度経済成長を支える輸送力となり、日本の鉄道車両技術を世界一の水準に押し上げる礎となりました。しかし、軽量化を優先したために重い冷房装置をつけることが難しく、東急線内では徐々にステンレス車両にとって代わられていきます。最後の現役5000系だった「5101A」は1957年(昭和32年)1月に製造され、東急各線を28年(東横線14年、田園都市線12年、目蒲線2年)走った後、1985年(昭和60年)12月に熊本電鉄に譲渡されました。

heimenaoD_R.jpg「5101A」が製造された1957年といえば、日本の越冬隊が南極に初上陸し、コカ・コーラが日本で販売を開始した年です。長嶋茂雄さんの読売巨人軍入団が決まり、フランク永井が歌った「有楽町で逢いましょう」が大ヒットした年でもあります。以来、青ガエルは日本の高度経済成長を見続けてきました。

東急での車両番号は「5031」でしたが、譲渡後に1両で折り返し運転できるように運転台を増設する改造が施され、熊本電鉄では番号が「5101」に変わりました。

後付けされた運転台からの外観は「平面ガエル」と呼ばれていました(写真左上)。ボディカラーが水色と青の時期もありましたが(写真右下)、2004年(平成16年)に元の深緑色に戻されました。同時に自動列車停止装置(ATS)が装備され、番号の最後にATS装着済みであることを示す「A」が付きました。

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東急の社内報「清和」(1985年12月号)には「5031、5032、5038、5053の4両を、故障時に部品を取る予備車両の5109、5120とともに熊本電鉄に売却した」という記録があります。熊本電鉄は1981年(昭和56年)に購入した2両の性能がよかったことから追加購入を希望し、売却が決まったそうです。

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譲渡にあたっては車体に黄色とオレンジ色のラインが引かれ(写真左=「清和」より)、電車線が直流600ボルトの熊本電鉄用に電動発電機、コンプレッサー、ヒーター回路が改造されました。ワンマン運転用に整理券発行機、運賃表示機、運賃箱、サイドミラーなどもつけられ、1985年12月4日に貨物として横浜市の長津田駅を出発。東海道本線、山陽本線などを通り、12月6日に熊本に到着しています。


ao_06_R.jpgその後、車内シートなどが取り替えられたものの、つり革には渋谷のファッションビルの名前が残るなど、東急当時の姿をとどめています。最近は日曜日だけ北熊本~上熊本駅間の約3.4キロを運行。全国の鉄道ファンに愛され、熊本の観光資源としても重要な役割を担ってきました。5101Aは引退まで約30年間熊本電鉄を走りましたから、熊本での"勤務"のほうが東京より長かったことになります。

東急5000系が多くの地方私鉄に譲渡されたのは、性能が良かったからだけでなく、車両の長さや大きさが大きくなく、地方私鉄のホームなどのサイズに適していたからでもあります。熊本電鉄は青ガエルの後任に東京メトロ銀座線を走っていた車両を使っています。銀座線は東京で最初にできた古い地下鉄で、サイズが熊本電鉄に合っているのですが、銀座線は軌道の幅や電気の取り入れ口が青ガエルとは異なっていました。しかし、多額の改造費をかけても、サイズの手ごろな車両を導入するしかないのです。

首都圏では輸送力増強のため、最近では長くて大きい車両が導入されていますが、大きい車両は地方私鉄のサイズに合いません。今後は大手私鉄で活躍した後、第二の人生を地方で送る車両は少なくなっていくでしょう。

青ガエル 引退間近に 雪ガエル                 2016年1月24日

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熊本県内は寒波の襲来で24日は雪が降りましたが、この日は日曜日で引退間近の「青ガエル」の運転日と重なりました。雪の影響で熊本県内の鉄道には運転見合わせが相次ぎましたが、青ガエルは予定通り運転され、雪の中を走る珍しい光景をひと目見ようと、雪の中を多くの鉄道ファンが詰めかけました。

* * *

青ガエルは熊本でさまざまな表情を見せてくれました。

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東京・渋谷駅ハチ公口には青ガエルの1号車「5001」が置かれ、大勢の人たちに囲まれて余生を送っています。

老ガエルの背中を流す     2015年10月13日  

151013kaeruevent1_R.jpg151013kaerumessege2_R.jpg「青ガエル」を見学し、洗車を体験するイベントが、10月14日の鉄道の日を前に行なわれました。普段はめったにできない洗車体験もあり、埼玉や広島などから駆け付けた人もいました。

長年のファンからは引退を惜しむ声が聞かれました。「洗っているうちに、自分のおじいちゃんや父親の背中を流してい151013kaerumessege1_R.jpgる気持ちになって、いとおしいというか、これでいなくなると思うと悲しくなった」

イベントでは最後に、参加者が青ガエルにメッセージを書き、車内にはたくさんのメッセージが残されました。

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