日替わりコラム

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 少し前に、娘たちと「ラブソングができるまで」という映画を観て以来、はまっていることがある。
 毎朝 「ポップフェイス!」と口にすることだ。

 この映画の中で、ヒュー・グラントが演じていたのは、元ポップスターのアレックス。
 彼が、大人気バンド、PoP ! のボーカルとして一世を風靡した80年代の栄光は、もう過去のこと。今のアレックスは落ちぶれて、小さなイベント会場で、昔のファンを前に、昔の持ち歌を歌う程度の仕事しかない。
 そんな彼が、ドリュー・バリモア演じるソフィーとの出会いで、情熱と輝きを取り戻して・・・と物語は進んでいく。
中盤に、こんな場面があった。
 遊園地の片隅に設けられたステージで、冷ややかな視線を向ける人もいる中、アレックスは昔の歌を熱唱していた。
 歌い終えて舞台から降りたアレックスは、アンコールに応えて舞台に立つことをしぶる。
 そんな彼を、ソフィーがやさしく力づけた。
 自信を取り戻したアレックスは、「ポップフェイス!」と言って、笑顔で舞台に上っていく。
 この場面が、私はとっても好き!
 娘に話したら、「そんなシーンあったっけ?」と言うくらいの、一瞬の場面なのだけど、「ポップフェイス!」と口にした途端に、アレックスの疲れてしょぼくれた顔が、キリリと往年のポップスターの顔に変わる、その瞬間がたまらなくいい!

映画を観た次の日から、私はこの瞬間を自分なりに再現している。

 朝、鏡の前に立つ。
 起きたばかりの私は、ボサボサの髪。くたびれた52歳の中年女だ。
 鏡の前で「ポップフェイス!」と言ってみる。
 もちろん私はポップスターではなかったけれど、そんなこたぁ気にしない。
 まるでポップスターであったかのように、目を大きく開いて力を入れ、口のわきをキリリと上げる。うん!いい表情だ!
 「よし! 今日も一日頑張るよっ!」 鏡の中の私に笑いかけ、一日をスタートする。

 この儀式? 実はずっと前からやっている。以前は鏡に向かって にーっと笑うだけだったのだけれど、この「ポップフェイス!」という言葉を使うようになってから、この瞬間が以前にも増して楽しくなってきた。
 昼間でも、疲れてきたな、と思ったらやってみる。「ポップフェイス!」と心の中で言ってから、目に力を入れ、口角を上げるのだ。効果てきめん! 私はたちまち いきいきとしたポップスターになっている。(と思う)

 自分の顔を演出するって、悪くない。
 あごをスッと上げる。背すじを伸ばす。胸を張る。おなかを引っ込める。
さぁ、大きく手を振って、大きな歩幅で颯爽と歩こう!
 外側が元気でいれば、ほら、中身も元気についてくる。

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