日替わりコラム

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<MCMS_KKT_NOBUKO>の横で口を開けて寝ている<MCMS_KKT_EIJI2>の姿を見ながら、ふと思った。
口を開けて寝ていてもかわいいのは、何歳くらいまでかな?…と(笑)

小さい子どもだったら、よだれを垂らしていようが、口の周りがケチャップで汚れていようが、前歯に青のりがついていようが、ボタンを掛け違えていようが、なんのことはない、かわいいものだ。
でも、当然のことながら大人だとそうはいかない。ましてや中年にもなれば…。

<MCMS_KKT_TENDO2>の不精ひげは、ワイルドでかっこいいけれど、夫の不精ひげは、むさ苦しい。
娘たちの寝ぐせのついた髪はご愛敬だけれど、私の寝ぐせは見苦しい。
とてもお洒落な私の母が、入れ歯を外し、口を開けて寝ている姿を偶然見た時はギョッとした。昼間の母とは全く別人のようだったからだ。
でも、これが現実だ。
人は年を取る。
若さを失い、衰え、老いていく。

人が老いていくことにはどんな意味があるのだろう?と、私は時々考える。
神様はどうして、“老いていく体”を人に与えられたのだろう?
少しだけわかるのは、衰え、弱くなり、老いた体を得なければ気付かないこと、学べないことが、きっとあるからに違いない、ということ。 実際私も、その一部を経験している。
そして、“若さは美しさ。若さを失うことは醜くなること”というような、そんな単純なものではない別の価値観を見出す必要があることも、強く感じている。

以前、テレビの番組で、有名なバレリーナが、トウシューズを脱いで、カメラの前で素足を見せてくれたことがあった。
大写しになった彼女の素足は衝撃的なものだった。
つめは真っ黒で、指はひどく変形し、黒ずんだ固い大きなタコがいくつもできている。

「汚いでしょ?人前で、とても靴は脱げませんよね」と彼女は笑った。
でも、私は、彼女の足を見ながら、すごいなぁ…と、深く感動した。
この人は、これまで、いったいどれほど沢山の練習を繰り返してきたのだろう。
気の遠くなるような厳しい努力の日々を、彼女の足は、雄弁に語っていた。
彼女の足は、きれい、汚い、という分け方をすれば、汚いものだと思う。
でも、一見汚いと思えるものの中に、尊い価値を見出すこともできる。
違った見方をしさえすれば。

“老い”に関しても、そんなふうに見れたらいいな…と思う。
年を取るにつれ、皺は増え、しみは濃くなり、髪は薄くなる。
肌の張りはなくなり、皮膚はたるんで垂れ、体の線は崩れ、若い日の姿からは、年々遠のいていく。
でも、それを、美しいとか醜いとかいう表面的な見方ではなく、もっと別の見方で見ることができれば、深く刻まれた皺の中に、全く違った価値を見い出すことができるだろう。

もっと賢くなれたらいいな…。
年を取る、ということは、年を重ね、経験を積む、ということだ。
様々な経験から学び、成長していかなければ、せっかく年を取る意味がない。
年を取るにつれて、世の中のいろんな物事を、もっといろんな角度から、もっといろんな見方で見れるようになっていけたらいいな、と思う。
そして、その眼差しの中に、年を取るごとに思いやりと温かさを増し加えることができたらどんなにいいだろう。

…本当にそうなれたらいいな…。

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