日替わりコラム

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聖典に登場する人物の一人に、ニーファイという人がいる。
ニーファイは、紀元前600年くらいに、エルサレムに住んでいた。
裕福な家庭に育ったのだけれど、子どもの頃、預言者であり指導者であるお父さんを筆頭に家族全員で旅に出る。家も財産も後にして。
それからは、これでもか!というほどの試練や苦難のオンパレード!
狂暴で無慈悲なラバンとの対決。困難極まりない荒野の旅。危険に満ちた航海。過酷な食糧難。兄さん二人による壮絶なDV。義理の兄弟たちの激しい反抗、などなどなど…。
でも、彼は決してくじけない。どんなことがあっても諦めない。
揺らぐことなく神様を信じ、敬愛する父を心から支持し、家族に変わらぬ思いやりを示し続ける。
だから、彼はよくこんなふうに称される。
「従順な人」「信仰の人」「真面目な人」「正直な人」「忍耐強い人」「愛の人」
「理想の息子」「理想の夫」…と。


でも、そんなニーファイだって人間なのだ。
決して完璧ではないニーファイの一面を、先週の日曜学校で学ぶことができた。

「ニーファイの詩篇」とも呼ばれているニーファイ第二書四章を学んだのだけれど、これは最愛のお父さんが亡くなって数日後にニーファイが書いたもので、彼が唯一弱音を吐いているところ。<MCMS_KKT_NOBUKO2>の大好きな章だ。(^−^)<MCMS_KKT_HEART>

この章の中でニーファイは、自分のことを惨めだ、と言っている。自分は非常にたやすくまとわりつく誘惑と罪に取り囲まれていて、罪のために苦しんでいる、と。
え?罪?ニーファイが?
ニーファイが悪態をついたり、乱暴なことをしたり、不従順だったりしたことは一度もない。そんな、罪や悪とは一切無縁のようなニーファイが罪に苦しんでいる、って、どういうこと?

『ニーファイにいったいどんな罪があったのだろう?』というテーマで、グループに分かれてしばらく話し合った。

ニーファイだって人間だ。
落ち込むことだって、ムカつくことだって、キレそうになることだってあったはず。
繰り返される兄弟たちの反抗に、「もう、いい加減にしろよ!」と、叫びたいときだってあったかもしれないし、終わることのない迫害に、心が折れそうになったこともあったかもしれない。
あまりの空腹からつぶやいてしまった父親を見て、「お父さんまでそんなことを言うのですか」と、悲しくなったかもしれないし、もしかしたら、落ち込む母親を慰めることに疲れたこともあったかもしれない。
長く辛い旅に、不満を感じたこともあったかもしれない。
時には悪い感情を抱くことだってあったはずだ。だって、彼は神様じゃない。人間だもの。 
…と、そんな意見が出た。

聖典をよく読んでみると、どうやらニーファイは、自分の心の中にふっと浮かんだそんな「怒り」や「批判」や「不満」の最初の芽を、「罪」と感じていたようなのだ。
そして、その芽が大きくならないうちに、心の中から取り除こうとしている。
怒りや不満は、放っておけば、夏の入道雲のように、もくもくと大きく育つ。
怒りや不満が心いっぱいに広がってしまうその前に、小さな“芽”の時点で、ニーファイはそれを取り除こうと努力しているように思える。
そして、そのためにどうかわたしを強めてください!と、神様に懇願している。
自分の弱さを知って、神様に頼り、叫び求めている。

本当に強い人は、自分の弱さを認めている人だ。
誰に頼ればいいのかを知っている人だ。

やっぱりニーファイはすごいな…。


ひるがえって、このわたし。
反抗期の息子に 怒り心頭!
あぁぁ、この怒り!ニーファイのように、やっつけておけばよかった。
“大きな怒り”に育つ前につぶしておけばよかった。
怒りや不満って、そのままにしていると、あっという間に膨張するんだよね。
心の中で大きくなって、大きくなって、心から溢れて、外に飛び出してしまう。
冷たい言葉、愛のない態度として、ね。
いかん、いかん!(>_<)

ニーファイは自分に向かって言う。
「どうして罪になど負けていいものか!どうして誘惑に負けて心の平安を失っていいものか!頑張れ!頑張れ!わたしの心!」と。

そしてニーファイは願う。
「どうか神様、わたしを敵の手から救ってください!わたしの心が罪の兆しに震えおののくようにしてください!義の衣でわたしを包みこんでください!わたしの前に道をまっすぐにしてください!」と。

数千年前に書かれた聖典の物語が、時代をはるかに超えて今のわたしに語りかけてくる。


わたしもニーファイのように言おう。
「頑張れ、頑張れ! 負けるな、わたし!」と。

そしてわたしもニーファイのように願おう。
「神様、どうか、わたしが自分の心を制することができるよう助けてください。怒りの思いを、その兆しが見えた時点で取り去る力を、どうかわたしに与えてください!」と。

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