日替わりコラム

 絵日記トップページへ

「ストーマ」という言葉さえ知らなかった。
「ストーマ用品」を見るのも初めて。
まして、それを装着してみるなんて、全く初めての体験だった。
「介護職員基礎研修科」の授業の一環「ストーマ体験」について、今日は書いてみようと思う。

人口肛門という言葉は前に聞いたことがあった。
小腸や大腸の病気の人が、おなかに人工的に肛門を作ったもので、渡哲也さんもそうなんだよね、という程度の認識。
“丸い金属か何かで作られた穴”がおなかにあるのかな?というイメージをなんとなく持っていたので、写真を見て、驚いた。
金属なんかじゃない。おなかから顔を出していたのは、直径数センチの“腸そのもの”だったからだ。


◎病気で機能しなくなった排便や排尿の経路を、人工的に腹壁に造設し、造設した排泄口のことを、ストーマという。

◎ストーマは、ギリシャ語で「口」という意味。

◎ストーマには、消化器系ストーマ(人口肛門)と、尿路系ストーマ(人工膀胱)がある。

◎ストーマは、粘膜で造られた腸や尿管そのものが腹壁に出ているので、柔らかく傷つきやすい。

◎また、ストーマには括約筋や神経がないので、排便や排尿のコントロールができない。

◎そのため、ストーマから排泄される便や尿を入れる袋(パウチ)を 腹壁に装着しておく必要がある。

◎ストーマを保有している人をオストメイトと呼ぶ。

…と、以上が、今日の授業で学んだストーマについてのまとめ。
そして今日の体験は、ストーマ用品のひとつであるパウチ、つまり、“便を入れる袋”をおなかに装着してみましょう、というもの。
クラスの半数ほどが体験することになったのだけれど、<MCMS_KKT_NOBUKO2>もその中の一人だった。

最初に先生から説明を受ける。
手指を清潔にし、ストーマを覆うようにして袋を装着すること。
その際、袋につけてあるシールを剥がし、粘着テープで直接肌に貼りつける。
袋は下の方が少し開いていて、その部分を折り曲げてクリップで留めるようになっている。
便が溜まったら、クリップを外してここを開き、そこから便を取り出す。

一通り説明を聞いた後、
便の代わりにお味噌を袋に入れた状態で、早速、体験が始まった。
袋を肌に貼りながら すぐに感じたのは、肌の弱い人にとっては大変だろうなぁ、ということ。しっかりと装着するための接着面は けっこう広く、それを肌にピッタリ密着させなければならないのだ。
タイトスカートやピッチリしたパンツは履けない。袋が便で膨らむから ゆとりが必要だ。
服装に少し制限があるかもしれないな。
直接肌に貼っているせいか違和感がけっこう大きい。
装着したまま自由に動くことはできるけれど、動くたびに袋が揺れるので、シールが剥がれたらどうしよう、袋が落ちたらどうしよう、と不安になる。
しばらく活動しているうちに、袋の上をうっかり強く押してしまった。
袋の中で、べちゃっと味噌がつぶれて広がったようだ。
なんだか漏れてきそう。
袋の中の味噌を取り出さなくては!
トイレに行って、さぁ、取り出そう!と思ったものの、これは大変な作業だ。
袋の下を開け、そこから味噌を出そうと試みるけれど、袋は肌に装着したままなので、
なかなかうまくいかない。
手が味噌で汚れた。
実際は便で汚れてしまうこともあるのかな。
さらに、この袋は使い捨てではなく、また使うのだそうだ。
汚れた部分を洗いたいのだけれど、でも、どこで???
どうやって洗う????????
トイレの中に洗える場所はない。
かといって、手洗い場で 服をまくって肌を出し、便のついた袋を洗うこともできないでしょ?

じゃ、どうするの?????

……
あっ、だから、洗い場のついた福祉トイレが必要なのね!!
そういうことか!

体験しながら考える。
お風呂はどうするんだろう?
袋を取り外して体を洗ったり、ゆっくり湯船につかりたいよね。
でも、袋を取り外しているときに、自分の意思とは関係なく むき出しのストーマから便が流れ出てくることだってあるんだよね。
外出は?
匂いが気にならない?
おならは?
夜は?
寝返りとか大丈夫なのかな?
さらに考える。
セックスするときは?
若いオストメイトの方たちにとって、相手の理解が必要だよね。

考えているうちにハッとした。
災害の時は?
災害の時はいったいどうするの????


オストメイトは、年配の人ばかりじゃない。
小さな子どもも、若い子も、働き盛りの人も、…30万人もの人がストーマを保有しているのだそうだ。
人ごとなんかじゃない。

ストーマを持った人たちが住みやすい、生活しやすい社会にならなくちゃね。
障がいがあろうがなかろうが同じように当たり前の暮らしができる、そんな社会にならなくちゃね!
…そんなことを思いながら、わたしのストーマ体験は終了した。

たった数時間 装着してみたくらいで、実際にストーマを保有している方々と同じ気持ちには決してなれないだろうけれど、でも、こうやって付けてみることで想像力を働かせることはできる。
それって大切なことだと思うんだ。


そんな得難い体験をさせていただけたことに感謝!
先生、ありがとうございました。<m(__)m>

>>信子かあさんのきょうの絵日記へ戻る