

<MCMS_KKT_NOBUKO>が住む町には、映画館がない。
だから、映画を観るときは、車で熊本市まで出て行く。
今日、一人で映画を観に行ってきた。
車がないので自転車で。
開演に間に合うように、急げ、急げ、急げ!
向かい風も上り坂も、なんだこんなもん!と思いながら、一生懸命こいだ。
自転車をこぎながら、<MCMS_KKT_EIJI2>と結婚する前の頃のことを思い出した。
彼が好きだった。
大好きだった。
福岡に住んでいる彼のところまでは、高速を使って2時間半かかっていたけれど、
会いたくなった時、
無性に会いたくなった時、
高速を飛ばして会いに行った。
母に少しの嘘をついて。
「もしもし、お母さん? 私、信子。 うん、今、会社。 あのね、今日残業になった。
10時くらいに帰るから、心配しないでね」
電話を切り、赤いシビックに乗って、高速をかっ飛ばす。
急げ、急げ、急げ!
前を走る車を次々に追い越しながら走っていく。
大好きだから行くんだよ。
博多に着いたら、彼の仕事場の近くまで行ってから電話をかける。
「あのね、会いたいから、来た」
仕事中の彼が、驚いた顔で飛び出してくる。
「連絡してからおいでよ」と言いながら、彼はとびきり嬉しそうな顔をする。
その顔を見るのが大好きだった。
ほんの5分ほど立ち話をして、
じゃぁね!と別れて、また高速を走る。
急げ、急げ、急げ! 10時までに帰らなくちゃ!
よし、セーフ!
私は「ただいま!」と、笑顔で玄関を開ける。
たった5分のために行くなんて時間がもったいない、とか、
高速代がもったいない、とか、ほんのちょっとも思わなかった。
会いたいから行くの。
大好きだから行くんだよ。
・・・
そんな日々を思い出しながら、自転車をこぎ続ける。
1時間47分かかって映画館に着いた。
息をはずませながら買ったチケットは、「THIS IS IT」。
またぁ?
そう。また。
何回目かは聞かないでね。(^_^;)
時間がもったいない、とか、お金がもったいない、とか、
全く思わないではないけれど、
好きなんだもん。
本当に大好きなんだもん。
大好きだから行くんだよ。
好きなことに夢中になるのは私の欠点かもしれないけれど、
その欠点も含めて私なの。
そして、私は、そんな私が嫌いじゃない。
「THIS IS IT」を満喫して外に出ると、
外はもう薄暗い。
冷たい風の中、家に向かって再び自転車をこぐ。
急げ、急げ、急げ!
おでかけしていたお父さんと子どもたちが帰ってきちゃう!
夜7時。
2時間かかって家に着いたら、夫と子どもたちは、私が映画を観に行く前に作っておいたカレーを食べ始めていた。
「ごめん!遅くなっちゃった!」
「どこに行ってたの?」
「映画。マイケルを観てきた」
「えっ、どうやって?」
「自転車で。2時間かかっちゃった」
「えぇっ!」
「久しぶりの遠出で、お尻が痛い…」
「はははは」
それでおしまい。
この夫だから、受け入れてくれるんだよね。
他の人だったら、呆れてドン引きでしょ?
それとも、怒られるかな?
子どもたちも、「おかあさんらしいなぁ!」と笑って、
「おかあさんのそんなとこ、大好き!」とまで言ってくれる。
ありがとう、みんな<MCMS_KKT_HEART>
家庭は、私が私でいられるところ。
あなたたちみんなにとっても、そんな場所になるように、お母さんは頑張るね!
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