日替わりコラム

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始まるときは、お赤飯を炊いてお祝いするのにね。
終わるときは、何もない。
どこからかやってくる少しの寂しさを、今、一人で感じている。


ずいぶん前、もういつだったか忘れてしまったくらい前に、当時大好きだったテレビドラマ「大草原の小さな家」の中で、おぼろげな記憶なのだけれど、こんなシーンがあった。
キャロライン母さんが妊娠する。4番目の子ども、だったかな?
もしかしたら、今度は男の子かもしれない!
キャロライン母さんは嬉しくて、胸をときめかせながら、お医者さんに診てもらう。

結果は、―― 妊娠ではなかった。
確かに生理はなかったのに、それは妊娠ではなく、閉経、だったのだ。
キャロライン母さんは、多分まだ40代前半。
とても早い閉経だった。
キャロライン母さんは、一人で、池だったか、どこかに行って、泣いていた。
夫のチャールズが、心配してやってきたとき、キャロライン母さんは言うのだ。
「もう、あなたの子どもを産めないの・・・」

独身の時に見たのに、そのシーンがやけに心に残った。
いつも明るくて、元気で、笑顔で、どんな問題にも弱音をはかず、毅然と立ち向かっていくキャロライン母さんが、とてもとても、本当にとても悲しそうだったから。


時は流れて、<MCMS_KKT_NOBUKO>は恋をし、愛する人と結婚した。
最初の子どもを産んだとき、私は29歳。遅いスタートだった。
それから、30歳のときに二人目の子どもを出産し、さらに、32歳で三人目、34歳で四人目、36歳で五人目、39歳で六人目を出産した。
さらに、41歳で七人目、42歳で八人目、44歳で九人目を出産し、46歳の時に十番目の子どもを産んで、私は十人の子どもの母親になった。

四十代に入ってから4人の子どもを出産したことに関して、親しい友人が、こう言った。「信ちゃんは、私の希望の星よ!四十代になっても産める!育てられる!って、自信が持てたもん!この調子なら、信ちゃんは、あと3人くらい大丈夫なんじゃない?」
その時私は笑って答えた。「コウノトリさんが連れてきてくれるならね!」

私は本気だった。
もしも、コウノトリが、うちに赤ちゃんを連れてきてくれるのなら、心から喜んで迎えよう、と、本気で思っていた。
初めから大家族になりたい!と願っていたわけではない。
結婚当初、決めていたことはただひとつ。

“もし、授かることができるなら、大切に育てよう”

47歳になり、48歳になり、やがて50歳を過ぎても、その気持ちに変わりはなかった。
いや、むしろ、年々その気持ちは増していって、出来ることならもう一人、と、待ち望むようになっていた。

53歳になって、年齢的に、いくら何でも もう無理だろう、と思う一方、幸い健康で、生理も全く変わりなく、きちんと毎月あったので、いや、可能性はあるかもしれない、と心のどこかで期待していた。

そんな私の生理がなくなった。
毎月きちんときていたので、ドキンとした。
もしかして・・・。もしかして・・・!!

薬局で、妊娠検査薬を買ってくる。
期待に胸をふくらませて、トイレで検査。
待つこと数分。
・・・結果は、陰性。

あれ?
そうか、検査の時期が早すぎたのかもしれないな。
じゃ、来週、もう一度!

翌週、もう一度、トイレで検査。
はやる気持ちで待つこと数分。
・・・結果は、陰性。

・・・・・・

翌月も、その翌月も、生理は来ない。


あぁ。
そうか。
終わったんだ。

閉経。

誰もがいつか迎えるもの。
その時は、こんなふうに、静かにやってくるんだな・・・。


初めての生理を迎えた日、母は、お赤飯を炊いて祝ってくれた。
これからは、女性として、お母さんになる準備が始まるんだよ。
いつでも赤ちゃんが産めるように、体の準備が始まるんだよ。
信子ちゃん、おめでとう!


それから、40年余りが過ぎて、
私の体は、どうやら“新しい命を育む”という役目を終えたようだ。

終わりは静かだな。

なんか、・・・寂しいな。




誰かに言ってもらうものでもないから、自分で自分の体に言おう。

「お疲れ様!よく頑張ったね!」

お赤飯はないけれど、自分で自分に、何か特別なことをしてあげよう。


「御苦労さまでした。
のぶちゃん、あなたは、本当によく頑張ったよ!」と、ねぎらいながら。


12回の妊娠。
2回の流産。
10回の出産を経て、
もうすぐ私は54歳になる。


*****

・・・と、上記の文章は、絵日記でも何度かご紹介した「お母さん大学」http://www.okaasan.net/
の中に書いた記事です。
絵日記の読者の方たちにも読んでいただきたくて、ここに転載しました。
夜中に書いたので、少しばかりセンチな文面になっていますが、一夜明ければ、すっかりいつもの元気な私です。(^−^)<MCMS_KKT_HEART>
今回経験した閉経だけでなく、私の体は、この先もきっと様々な変化をしていくことでしょう。
老眼になるのかな??
更年期障害がやってくるのかな??
五十肩になるのかな??
体の節々が痛むのかな??

こんなことを書くと、将来に希望が持てないみたいですが(笑)、
お母さん大学の藤本さんから、「体は退化するけれど、心は進化する」という言葉を貰いました。希望に満ちた嬉しい言葉です。
老いていくこと、体が退化することには、きっと意味があるのでしょう。そこから学ばなければならないことがきっとあるはず。私はそう信じています。

体は着ぐるみ。その着ぐるみの中にいるのが私、というイメージが、これまでの私にはいつもありました。今もそうです。
古くなれば、着ぐるみは、痛んだり、弱ったりしますが、その中にいる私は、活き活きと元気です。
これからも、自分の体の変化をありのままに受けとめて、自分を愛し、いたわり、感謝しながら、柔軟に、明るく生きていきたい、と、願っています。

そして、ますます進化すべく、信子かあさん、頑張ります!(^◇^)

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