日替わりコラム

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我が家では、熊本弁をあまり使わない。

方言が嫌いなわけではない。
<MCMS_KKT_EIJI2>が岡山県出身で、熊本弁をほとんど使うことがなかったので、付き合っていた頃から私もほとんど使わなかった。
熊本弁をあまり使わない私たち二人のもとで育てられたので、子どもたちも、熊本弁を使うことが少ない、というだけなのだ。

と言っても、もちろん全く使わないわけではない。
<MCMS_KKT_NOBUKO>は、実家の母や昔なじみの人と話すときは熊本弁だし、子どもたちも、学校では熊本弁。
夫も、外では随分使えるようになってきた。

それでも、家の中では、みな、標準語(共通語)?とまではいかないけれど、方言の少ない喋り方をしている。その方が自然だからだ。

そんな我が家なのだけれど、先日、娘が突然、言い出した。
「熊本弁をしゃべりたい!」

息子も続けてこう言った。
「熊本弁を習いたい!」

「あのね、外国語じゃないんだから、しゃべりたいとか習いたい、とか、おかしいでしょ?」と笑うと、子どもたちは、「じゃ、教えて!」と口を揃える。

そう言えば、
亡くなった祖母や祖父が使っていたような、バリバリの熊本弁、この頃あんまり聞かないなぁ・・・。

「ねぇ、お母さんは熊本弁しゃべれるの?」
「だからねぇ、外国語じゃないんだから、そりゃ、しゃべれるわよぉ!」
「じゃ、しゃべって、しゃべって!難しい熊本弁!」

そ、そんな、急に言われてもねぇ・・・。
難しい熊本弁・・・?
子どもたちに催促されて、考える。思い出す。
亡くなったじいちゃん、ばあちゃんが使っていたバリバリの熊本弁。

「そうねぇ・・・。例えば・・・、今日は、とつけむにゃあ、雨ん降りよるばい」
「とつけむにゃぁ???」
「今日は、とんでもない雨が降っている、ってことよ」
「へぇ!おもしろ〜い! 他にも言って!」

「じゃぁね、雨ん 降りよるけん、じったぼに ひゃらんごつ せなん」
「なにそれぇ???」

「雨が降ってるから、水たまりに入らないようにしなくちゃ、だよ」と解説すると「おっもしろ〜〜い!!!」と、また大受けだ。

「他には?」と、催促されて、さらに続けてみる。
「びきたんば、ひっつかまえて遊ぶと でけんばい」
「?????」怪訝な顔の子どもたち。
「カエルを捕まえて遊んだらダメだよ、ってことよ」
「カエルが、びきたん? あはははは、おもしろ〜い! ねぇ、お母さん、他にも何か言って!」

「じゃぁねぇ・・・、ほんなこつ、むぞらしかぁ」
「むぞらしか、って、何?」
「可愛らしいってこと。本当に可愛いねぇ、って意味よ」
「へぇ!」
「お母さんが小さい頃にね、あなた達のひいおじいちゃんやおばあちゃんがいつも言ってくれたの。のぶこちゃんは、むぞらしかなぁ、って<MCMS_KKT_HEART>」
「ふぅん。他にもある?もっと教えて!」

「むぞらしか、と似てるけど、むぞなげ、って言葉があるよ」
「むぞなげ?????」
「可哀相、っていう意味なの」
「へぇ、かわいそう、なんだ」


この言葉・・・
実は、私の祖母が私に言った言葉だ。

私が学生のころ、試験勉強をしていたある夜、途中で疲れたので、祖母に、2時間したら起こしてね、と頼んでから寝たのに、その晩、祖母は起こしてくれなかった。
気づいたら朝になっていたので、腹を立てた私は、どうして起こしてくれなかったのか、と、祖母に文句を言った。
その時に、祖母がこう言ったのだ。
「のぶこちゃんが むぞなげだけん、起こさんだったったい」と。
起こしに来たけれど、疲れて眠っている私が可哀相だったから、そのままそっと寝せておいたのだよ、と。


・・・方言を思い出しながら、沢山の愛を思い出すことができた。


いいね、
あったかいね、
熊本弁。


たまには使ってみようかな。


「そがん 無理ば せんでんよかたい。あんたが がまだしよっとは、ちゃぁんと、おてんとさんが、見とらすばい。よか、よか、なぁん、でけたしこたい!」

(そんなに無理をしなくてもいいよ。あなたが頑張っているのは、ちゃぁんとお日様が見てくれてるよ。だいじょうぶ、だいじょうぶ、なぁに、出来た分で十分だよ!)


なぁんて、ね。

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