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 張り切って入園してから約10日。ふうちゃんは頑張っている。
 3年保育の年中から入ったので、不動にとってはわからないことがいっぱいに違いない。それでも不動は、まわりの子たちの様子を見ながら一生懸命に合わせているようだ。幼稚園にいるのはわずか数時間だけれど、子どもなりに気を遣って精一杯過ごしているんだろうなぁと思う。

  二、三日前のこと、幼稚園まで見送って「じゃあね」と別れようとすると、不動がの手を引っ張って言った。
 「おかあさん」
 「なあに?ふうちゃん」
 「ふうちゃんはね、おかあさんがいないと、さみしいんだ」
 「ほんと?」
 「うん、おかあさんがみえなくなったら、さみしくなるの。ふうちゃんは、おかあさんがずーっとようちえんにいるのがいいなぁ」
 私は泣きたくなってきた。
 小さな不動がいじらしくていじらしくて、ほんとは連れて帰ってしまいたいくらいだった。
 「そうだね、お母さんもずーっと幼稚園にいたいけど、でも、幼稚園は子どもだけで遊んだり歌ったりいろんなことをする所なの。お母さんたちはお家で、洗濯したり掃除したり、家のことを頑張らないといけないでしょ。ほかのお友だちのお母さんたちもみーんな同じだよ」
 「うん…」
 「だから、ふうちゃんたちも幼稚園でお歌とかダンスとか、いろんなことを頑張って、あとでお母さんに見せてほしいな!おかあさん、すっごく楽しみにしているから!」
 「うん…」
 「ふうちゃん、見てて!お母さん、今から走って帰るよ。急いで帰ってお家の仕事を頑張って、それから走ってふうちゃんを迎えに来る!一番にお迎えに来るから、それまでふうちゃんも頑張って待っててよ。ねっ!」
 「うん!」
 じゃあね!と笑顔で手を振りながら、ふと思った。こんな会話、考えてみれば、10回目だ。
 英智天童麗花愛実息吹種恵大我日向一心も、同じような会話を交わしながらこの時期を乗り越えてきたんだ…。

 そして今日、不動をお迎えに行ってみると、不動はにっこり笑っていた。
 「ふうちゃん今日楽しかった?」
 「うん!」
 「寂しくなかった?」
 「ちょっとだけさみしかったけど、だいじょうぶだったよ!」
 「ふうちゃん、頑張ったんだね!」
 「うんっ!」
 差し伸べた手をつなごうともせず、ジャングルジムに向かってかけ出して、もっと遊ぼうとする不動を見ていると、安心する気持とちょっと寂しい気持が同時に浮かんできた。
 こうやって私の手を離れ、大きくなっていくんだよね・・・。

  「おかあさーん!」
 しばらくジャングルジムで遊んだ後、不動は走って私に飛びついてきた。
 「ふうちゃんはね、うちゅうでいちばんおかあさんがすきなんだよ!」
 「ありがとう!お母さんもよ!」
 私は愛しいふうちゃんを力いっぱい抱きしめた。

※今回の絵は不動が描きました。スモック、カバン、帽子を身につけて、幼稚園に行っているところ、だそうです。サインは「ふどう」と書いてあります。