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 「うわぁっ すっごーい!」
 「すごい、すごい!」
 「ふうちゃん、すごいね!」
 「上手ねえ!」
 子どもたちが騒いでいる。騒ぎの中心にいるのは3歳の不動。小さな机の上で何かを書いている。のぞきに行ったも思わず叫んだ。
 「ふうちゃん、すごーい!」

 不動の絵が進化していたのだ。
 子どもの絵はおもしろい。上の子からずっと見てきたけれど、どの子も同じような進化の道をたどるように思う。
 まずはぐちゃぐちゃと乱暴に書きなぐる時期があり、そのうち、いびつながらも丸が書けるようになる。そうすると、「これはおかあさん」「これはふうちゃんだよ」などと言いながら顔を書き始める。と言っても、最初はまるで"福笑い"状態。顔のパーツがバラバラなのだ。目と目がひどくくっついていたり、極端に離れていたり、顔の外にはみ出したり。曲線がまだ上手に書けないから、口はいつも真一文字で、怒ったような顔ばかり。
そのうち何とか曲線が書けるようになると、目もにっこり、口もにっこり、なんとも愛らしい表情になる。
 そしてある日、その顔から突然手足が出て、宇宙人のような姿が出現する。
 しばらく宇宙人のような絵を描いているかと思えば、そこにひょっこり胴体が現れて、人間らしい形になるのだ。
 その日の不動は、正に胴体を初めて書いた瞬間だった、というわけ。
 「ふうちゃん、すごいね!」
 「ふうちゃん、うまいねえ!」
 みんなにほめられて、不動はとてもうれしそうだ。
 「おかあさん、おかあさんのかお、かいてあげようか?」不動が言った。
 「やった!かわいく書いてね!」と私。
そして書いてくれたのが、今回の絵だ。実物以上にかわいく書いてもらって、
私はもう大満足

 子どもの進歩には目を見張る。
 できなかったことが、ある日突然できるようになる。
 でも、考えてみると、突然できるようになったことなんて本当はひとつもないことに気づく。
 スキップする前に走る時期があり、走る前には何度も転びながら歩く期間がある。歩く前に這い、這う前に寝返りし、寝返りする前には手足をしきりにバタバタさせて、いつだって子どもは頑張っている。
 不動はこれからもどんどん進化していくに違いない。
 見のがしたらもったいないな!