絵日記トップページへ
   
   
 

 
 

 高校の卒業式ってこんなもんなんだ・・・ というのが率直な感想。
 特別な演出があるでもなく、感動の場面が用意されているでもなく、坦坦と、ただ淡淡と式は進み、そして終わった、という感じ。
 冷え冷えとした体育館を出て教室へ移動する保護者の方たちからは、私と似たような思いが多く聞かれた。
 「あっさりしてましたねぇ」
 「高校の卒業式はどこも似たりよったりでしょうかねぇ」
 「やっぱり中学校、小学校とは全然違いますねぇ」

 ところが、私たちがそうして廊下を歩いて行った先に、思いがけない感動が待っていたのだ。
 教室に戻ってからの最後のホームルーム。それは、底冷えする寒さばかりが体に染みた卒業式の味気なさを、すべて補って余りあるほどの、とびきりすばらしい時間だった。
 まず、担任の先生のあいさつに、深く心を動かされ、副担任の先生の言葉に涙し、さらに、クラス全員のスピーチに涙はあふれっぱなしだった。
 「家政科に入って本当によかったです!家政科最高!」
 「けんかもいっぱいしたけど、本当の友達ができました。みんなありがとう!」
 「何度もやめようと思ったけど、こうして一緒に卒業できてよかったです。みんなのおかげです。ありがとう!」
 「先生、今までつっぱっててごめんなさい!」
 「お母さん、3年間お弁当ありがとう!」
 どのスピーチも最高にステキだった。
 娘の麗花の番が来て、いったい何と言うのかな?と思っていたら、彼女は少し照れながら元気に言った。
 「この3年間は、私が生きてきた中で一番楽しい3年間でした!みんな、ありがとう!」
 はじけるような娘の笑顔を見た時、心から思った。娘をこの高校に入れて、家政科に入れて、本当によかった!!と。

 3年前の受験の際、娘は志望校を受験の直前になってから変更した。
 私の母校でもある高校の普通科へ行くものだと、本人も含めてみんなが思っていたのに、直前になって、彼女は家政科へ行きたいと言い出したのだ。
 「私は大学へは行かないから、高校の3年間は好きなことをやって過ごしたい」というのが彼女の気持だった。
 成績はいい方だったので、せっかくなら普通科で頑張って勉強したら、と先生もまわりの人たちも言って下さったけれど、夫と相談して、娘の気持を尊重することにした。
 その選択が良かったのか悪かったのか、よくはわからなかったのだけれど、娘の、「生きてきた中で一番楽しい3年間でした!」という言葉で、これでよかったんだ!と確信した。
 親の望みとか、世間体とか、プライドとか、そんなのほんとに余計なものなんだ。一番大切なのは、やっぱり本人の気持なんだと思う。
 すばらしい先生方に恵まれて、たくさんの友だちに囲まれて、自分の才能を磨き、開花させ、彼女は春から自分の好きな服飾の道へと進んでいく。
 麗花ちゃん、卒業本当におめでとう!