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 長男の英智が20歳になった。
 20歳、という響きには、やっぱり特別な感慨がある。
 英智は我が家に最初に生まれた子ども。すべてのことにおいて最初の扉を開いてくれた子どもだ。私にとって初めての妊娠、初めての出産。初めての子育て。初めての入園、卒園。入学、卒業。さらに初めての反抗期、初めての受験――そして来年彼は就職し、我が家初の社会人となる。

 つい最近のこと、長男と二人で車に乗っていたら、長男がふいにこんなことを口にした。
 「お母さんはたぶん誰とでも仲良くできると思うけど、将来結婚したら、オレは家を出ようと思う。」
 「え?」
 「仕送りとかはちゃんとするけど、別に暮らしたいと思う」
 唐突な言葉に"おっ?結婚第一号になる日も案外近いのかな?"と思いつつ、愉快な気分で 私は答えた。
 「そうネ!きっとその方がいいよ。私はお父さんと仲良く暮らすし!」

 この長男を育てながら何度思ったことだろう。"一番最初に生まれてくる子どもって、特別な子どもではないかしら"と。
 初めての子育てで、未熟で、失敗だらけの母親が育ててもそれに耐えられる力を持っている子ども、いや、むしろ、未熟な母親を助け、支えてくれるような子どもを、神様は"最初の子ども"として送ってくださるのではないかしら。
 子どもは親を選べないとか、親は子どもを選べないとかよく聞くけれど、私にはそう思えない。行き当たりばったりに生まれてくる子どもなんてないと思う。一番目の子どもには一番目の子どもとしての特別な役割が。二番目の子どもには二番目の子どもとしての役割が。三番目の子どもには三番目の子どもとしての特別な役割があるように思えてならない。
 コウノトリが本当にいるのなら、コウノトリは、きっとよくよく考えに考えて、その子にとって一番ふさわしい家庭を、その家庭にとって、一番必要な子どもを、一番いい時期に、一番適切な順番で連れてきてくれるに違いない。

 英智は我が家の開拓者として、後に続く弟妹たちのために、いつも道を切り開いてくれた。そして、いつも私の良き助け手だった。来年の春になれば、彼は家を出て行くけれど、願うのはただ彼が幸せになってくれることだけだ。
 おめでとう、20歳!
 ステキな20年をありがとう!!