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 言い出したのはもちろん。賛成したのは子どもたち。私は、と言えば、"ふうちゃんと一緒に車で頂上まで登ればいいか!"と軽く考えて1月3日、私たち家族は、中央町にある3333段の石段登りに挑戦することにした。
 私の予定が狂ったのは当日の朝。「せっかくだから全員で登ろうよ!」と、これまた夫が言い出して、うひゃあ〜無理だよ、そんなぁ〜と言いつつも、結局私も石段を登ることになったのだ。
 仲良しの栗原さん一家と共にスタート地点に立ち、さあ出発!の合図と同時に子どもたちが一斉にかけ出した。まあ、その速いこと!子どもたちに遅れて栗原さんご夫妻、それにうちの夫と一心が続き、さらに遅れて私と不動が続いた。
 登り始めて驚いたのは小さな不動の頑張りだった。2歳2か月になったばかりだというのに、しっかりとした足取りで、一段一段を登っていくのだ。「ふうちゃん、すごいねぇ!」
 目を見張る驚異の頑張りで400段、500段、と登っていた不動の足がピタリと止まったのは、ちょうど700段目に差し掛かった所だった。
 「おんぶ!」
 ・・・うそ!
 なんとか歩かせようと、チョコレートやらキャラメルやらを食べさせて、いくら励ましてみても、不動は頑として動かない。
 「おんぶ!」
 ・・・そりゃあそうだよね。こんなにちっちゃいのに700段も登ったんだもの。ふうちゃんはもう充分すぎるくらい頑張ったよね。
 ・・・とは言っても、あなたをおんぶして登るなんて、お母さんには絶対無理!
 二人で石段に腰を下ろし、さてどうしようと考える。他のみんなは、遥か遥か先の方を登っているし、迎えに来てと連絡したくても、こんな山の中では携帯電話はつながらないし・・・困ったなぁ・・・。
 「おんぶ!おかあさん、おんぶ!おんぶ!」
 ・・・よし!
 私は不動を背負って登ることにした。10段、20段、30段、重っ!!ひと休みしてまた10段、20段、30段・・・40段・・・
 「たいへんですねぇ」「がんばって!」息を切らして登る私に、知らない人たちが次々に声をかけてくれる。
 「いち、にい、いち、にい」背中の不動も応援している。
 よいしょ、よいしょ、いちに、いちに、ファイト、ファイト、もう少し、もう少し・・・気が付けば私は1000段まで登っていた。
 "うわぁ!やれば出来るじゃないの!"
 何だか力がわいてきて、また一段一段登っていると、上の方から、すでに頂上まで登りきった子どもたちがかけ下りてくるのが見えた。
 「おかあさん、がんばれーっ」「おかあさん、ファイトー!」
 ようし!お母さんも行けるところまで行くからね!10段、20段、30段、ふうっ、・・・10段、20段、30段、ふうっ、・・・休んでは登り、休んでは登り、をくり返し、2300段を超えた所で、上から下りてきた夫と一心に出会い、私の挑戦はそこで終了した。

 夫と一緒に、今登ってきた石段を下りながら、私の心は満足感でいっぱいだった。3333段を登りきることは出来なかったけれど、大きな収穫があったからだ。それは"途中で休んでも、あきらめないで登り続ければ、自分が思っているよりもっと上まで登ることが出来るんだ"という実感だ。
 急がなくていい。途中で何度休んだっていい。投げ出さず、あきらめず、少しづつでも進んでいけば、人はきっと、自分が思うよりもっと遠くまで進むことができるんだ。

 「来年は、」なぁんて、新しい年が始まったばかりだというのに、私の心は来年に向かって燃えている。
 「来年のお正月には、もう少し上まで登ってみよう!」

(・・・と、心は燃えているのだけれど、体の方は筋肉痛でたいへんです・・・!)