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"さぁて、今日はどれにしようかな・・・"
 宝石箱を前に考える。
 ルビー、サファイア、エメラルド・・・色とりどりの美しい宝石箱の中から私が選んだのは、輝くダイヤのペンダント。
 胸もとにダイヤを光らせながら、鼻歌まじりに私はトイレを掃除する。
 こんな贅沢ができるのは、四男の大我がいくつもの宝石をプレゼントしてくれたからだ。
 
 何ヵ月も前のことだった。
 おもちゃの宝石付きのお菓子を買ってきていた三女の種恵が歓声をあげた。
 「わぁっ、きれーい!」
 おまけは赤いルビーのペンダントだったのだ。
 「いいなぁ、種恵ちゃん!お母さんはそんなにきれいなペンダント持ってないよ!」
 私の言葉を聞いていた大我は、次の日、同じお菓子を買ってきて、私にプレゼントしてくれた。
 「あけて!あけて!」
 大我にうながされて開けてみると、青い宝石のペンダントが出てきた。
 「わぁ、ステキ!」
 早速はめてみると、大我は満足そうに、「うん!にあう!」とうなずいた。
 何日もしないうちに、大我はまた同じお菓子を買ってきた。
 「たいちゃん、お金、どうしたの?」
 「おばあちゃんにもらった。かたたたきしたから」
 「そう。せっかくお小遣いもらったのなら、たいちゃんの好きなものを買っていいのに」
 「これがたいちゃんのすきなのだよ。おかあさんにあげたかったんだもん」
 「・・・・そっか!」
 開けてみると、今度のおまけは淡いピンクのペンダントだった。
 「うわぁ!お母さんの一番好きなピンクだ!たいちゃん、ありがとう!」
 大我は「よかったね!」と喜んだ。
 
 それからも大我は、お使いや肩たたきでお小遣いをもらうたびに、宝石付きのお菓子を買ってきてはプレゼントをしてくれたものだから、私の小さな宝石箱は、いっぱいになってしまった。
 「たいちゃん、これ以上入らないから、もう買ってこなくていいよ。ほんとにもう充分だから」
 「おかあさん、お金持ちになったみたいだねぇ!」
 「ほんと!こりゃあ、かなりの大金持ちだ!」

 ・・・ん?こんな会話、はじめてじゃないぞ・・・。そうだ、上の子たちも、同じようなことをしてくれたっけ。
 そうなのだ。どの子にも同じような時期があって、どの子からも私はこんな宝石をいくつもいくつもプレゼントしてもらったんだ・・・

 この幸せ者ぉ!
 自分で自分をこづいて笑う。こんな金持ち滅多にいないよ!
 幸せ者のお母さんは、これからも頑張ります。