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 「お母さん!」
 でかけようとしている私に向かって、6年生の息吹が言った。
 「なあに?」と振り返ると、彼は尋ねた。
 「お母さん、疲れてない?」
 「え? そうでもないけど」
 すると彼は重ねて尋ねた。
 「ねぇ、お母さん、疲れてる?」
 「え? う〜ん、そうねぇ、少し疲れてるかも・・・」
 「そうか!」
 なぜか彼はにっこり笑うと、「行ってらっしゃい!」と見送ってくれた。

 数時間後、帰宅した私を迎えてくれたのは1枚のメモ用紙。
  "おかえりなさい! れいぞうこに、トマトジュースが入れてあるよ!"
 息吹の文字だった。
 さっそく冷蔵庫を開けてみると、息吹特製の、手作りフレッシュトマトジュースが、一番大きなカップにあふれるほど入れてある。
 私はグイグイグイと、一気に飲み干した。
 う〜〜ん、おいしいっ!!

 子ども部屋に行ってみると、2段ベッドの下の段には大我日向が重なり合うようにして眠っており、上の段では、息吹がスヤスヤと寝息を立てている。
 「いっくん、ありがと! おかげで元気いっぱいだよ!」
 私はそっと息吹の頭をなでた。
 明るくて、やさしくて、素直ないっくん。
 でも、この子も、あと1〜2年もすれば反抗期を迎えて、うそみたいに気難しくなっていくんだろうなぁ・・・・・。そんな思いがふと浮かんだ。
 ・・・ま、いっか! その時はその時だ!

 翌朝、起きてきた息吹に、私は一番に声をかけた。
 「きのうはありがとう! ほんっとにおいしかったよ! またお願いします!」
 「いいよ!」
 「今度はホットケーキ付きでお願いします!」
 「わかりました!」

 まだ当分は、やさしいいっくんでいてくれそうだ。