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 「ほら、見て!梅の花がきれいだよ!」
 「えっ、どこ?」
 「ほら、上!」
 「あっ、ほんとだぁ」
 「きれいでしょ?」
 「うん。いつのまにか咲いてたんだ」
 「そうよ。立ち止まって、見上げないと、気づかないこともあるのよ」

 "立ち止まって見上げないと気づかないこともある"というのは、数年前の経験から生まれた実感だ。
その年、実家の庭にある梅の花が、気づいた時にはもう全部散っていた。毎日横を通っていたのに、いつ咲いたのか全く気づかなかったのだ。せっかく咲いたのに、花の美しさや香りを少しも楽しむことができなかったなんて、ほんとにもったいないことをしたなあ・・・。すぐ近くにいたって気づかないこともあるんだ・・・。そして思った。子育ても同じかも。
 毎日一緒にいても、時々立ち止まって、関心を持って見つめないと、見逃してしまうこともたくさんあるかもしれない・・・と。

 「だからね」と私は種恵に言ってみる。
 「だから、時々立ち止まって、見上げてみるといいよ。ほら、あそこにあるつぼみがふくらんで、きれいに開くのを見れたらうれしいでしょ?」
 「うん!」
 「種恵ちゃんが気づいてても気づいてなくても、お花はあちこちに咲いてて、鳥はあちこちで鳴いてて、空の色も雲の形も毎日毎日変わってるんだよ」
 「きのうの空は、とーってもきれいだったよ」
 「うん、きれいだったね!きれいなものをいっぱい見つけると、いっぱいうれしくなれるでしょ?」
 「うん」
 「またきれいなものに気づいたら、お母さんにも教えてね!」
 「うんっ!」

 話しながら見上げれば、実家の2本の梅の木は、もうすぐ満開を迎えそうだ。

 
 
   
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