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 クリスマスの季節がやってきた。
 この季節になると、子どものだれかが必ず尋ねる。「サンタクロースって、ほんとにいるの?」
 今年の該当者は、小学2年生の種恵、一年生の大我、それに幼稚園児の日向の三人だ。

 「おかあさん、サンタクロースはいるよね!友だちがね、いないっていうの。ちがうよね!」
 種恵の後を大我が続ける。
 「たいちゃんのともだちも、いないっていった。サンタはおとうさんだって」
 日向が尋ねた。
 「おかあさん、サンタはほんとにいるの?」

 三人に答えようとしたその瞬間、高2の天童が断言した。
 「いるよ!天ちゃんは信じてる!」
 あまりにもきっぱりとした口調に圧倒されたのか、三人ともすぐに「いるよね!」と口を揃えた。

 夢が危険にさらされる時がある。
 天童の場合は5才の頃がそうだった。まわりの友だちから、サンタなんか本当はいないんだと言われ、彼の心は少し揺れていた。
 その年のクリスマスの朝、まだ眠っている天童に向かって、が大声で叫んだ。
 「天ちゃん、ほら起きて!見てごらん!すごいよ!」
 眠い目をこすりながら、あわてて起きてきた天童と、長男長女の3人は、並んで、の指さすベランダを見た。
ベランダの上には点々と、何か丸いものが落ちている。
 「ほら!トナカイの糞だよ!」
 の言葉に、3人は跳びあがって喜んだ。
 「うわあああっ!ほんとだぁ!」
 「トナカイのフンだぁ!」
 「ほんとに来たんだ!」
 「わーい!わーい!」
 大騒ぎしている3人のうしろで、がこっそり私に見せてくれたのは、袋に入ったドッグフードだった。なるほどね!
 こうして、天童の夢は守られた。

 そんなことを、なつかしく思い出していると、今度は日向が言った。
 「でもね、ようちえんにくるサンタさんはにせものなんだよ。せんせいなんだもん」
 高1の麗花がすかさず言った。
 「当たり前よ!本物のサンタさんは、クリスマスの夜にしか来ないんだもん。それもみんなが眠っている真夜中にね。一晩で世界中の良い子のとこに行かなくちゃならないんだから、今はその準備で、すっごく忙しいの。幼稚園に行く時間なんてないのよ。だから、忙しくて来れないサンタさんにたのまれて、先生が代わりにしてくれているのよ。つまり、偽者じゃなくて、サンタの弟子!サンタの仲間ってわけ!本物のサンタは24日の夜に来るんだよ」
 やけに説得力のある説明に、3人はなるほど、とばかりに深くうなずくと、口々に言った。
 「ぼくはしんじる!」
 「わたしも!」
 「ぼくも!」
 二男もまた続けて言った。
 「天ちゃんも信じる!」

 うれしいなぁ・・・!
 小さい頃、両親に夢を守られていた息子、娘たちが、大きくなった今、弟や妹たちの夢を守る側に立ってくれる。
 今年のクリスマスも、サンタはきっと来てくれるね!

 
 
   
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