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友人の家からペルがやってきた。
 ブルブルブルブルふるえている。母親から離され、心細くて、怖くて、不安でたまらないのだろう。抱き上げて背中をなでると、私の胸に頭をうずめた。

 私は犬がどうも苦手だ。どんなに小さな犬でも、吠えられるととても怖い。
 だから、夫が、子どもたちの為に犬を飼おうと提案した時も、すぐには賛成できなかった。どうしても飼いたいという子どもたちに押し切られて出したOKには「お母さんは世話をしない」という条件を付けた。9年前のことだ。
 ほどなくしてやってきた茶色の子犬は、私を除く家族みんなの歓迎を受け、スペと名付けられた。
 ところが・・・だ。
 毎日世話をすると言っていたのに、夫は仕事で忙しく、子どもたちは子どもたちで、ちやほやしてかわいがっていたのはスペが子犬の時ばかり。だんだん散歩をさぼりだし、犬小屋の掃除もしなくなっていく。
  「ちょっと!お母さんは世話をしないって言ってるでしょ!」
 子どもたちにハッパをかけ、ちゃんと世話するように言うのだが、すぐにまたさぼってしまう。
 もうっ!
 私は仕方なくえさをやり、いやいや散歩をし、しぶしぶ犬小屋の掃除をする。そんな私にスペはしっぽを振りながらとびかかってくる。
 「やめてよぉ!」
 とびかかられたり、なめられたり、なんてとてもじゃないけど我慢できない。
 しかし・・・だ。
 不本意ながらもスペの世話をしているうちに、少しずつ慣れてきて、だんだん情けもわいてくる。犬って、やさしい目をしているんだなあ・・・と、みとれてしまったりもする。
 自分の子どもの場合、寝不足と戦いつつおっぱいをあげたり、お風呂に入れたり、おむつを替えたり・・・と悪戦苦闘しながら頑張って世話をしているうちに"母性愛"が自然と育っていったと思うのだが、それは犬に対しても同じようだ。
 例え「きらい」からのスタートでも、世話をしているうちに、やっぱり愛情は育っていく。
 だから、今年スペが死んだ時、私はとても悲しかった。
 もっと遊んであげればよかった・・・。
 楽しい時間をもっとすごさせてあげればよかったな・・・・。

 今日家にやってきた小犬は、そのスペが産んだシャルの子ども。つまりはスペの孫なのだ。生後2か月の、黒くて小さいかわいらしい犬は、家族全員の歓迎を受け、スペの“”とシャルの“”をとって、ペルと名付けられた。

 よろしくね!
 今度は「きらい」からのスタートじゃないよ。