KKTドローン中田の南極日記

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空飛ぶ訪問者たち

2017/2/28

前回の記事で紹介したピーちゃん以外にも、実はS17には他にも空飛ぶ訪問者がやってきています。
S17は航空拠点でもあるので、雪原を均しただけですが航空機用の滑走路があります。この滑走路は、DROMLAN(ドロムラン)とう南極地域を結ぶ航空網のためのもの。今回、物資の受け渡しでDROMLANの航空機がやってきました。

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やってきた飛行機は、橇(ソリ)を履いた双発のプロペラ機。カナダの航空会社の機体で、「バスラーターボ」というそうです。美しく輝く機体とどこかクラシカルなスタイルにうっとりしてしまいましたが、なんと1960年代の機体だということ。荷物を受け取った後は、燃料をドラム缶から給油して氷原の滑走路から飛び立って行きました。

私達がS17に滞在している間には、他の観測チームも複数訪れました。その際に乗って来るのがASヘリコプター。オーストラリアから「しらせ」に積み込み、南極で観測チームの移動に使用されます。毎回違うチームがASに乗って来るので、パイロットのマットさんは何度もS17にやってきています。おそらくピーちゃんの次にS17に訪れた回数が多いかも。

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そして一番お世話になったのが、「しらせ」艦載機のCHヘリコプター。ヨーロッパ製の大型ヘリコプターで、2機のCHが観測隊の人員・物資の輸送で活躍しています。私達と観測チームのおよそ6トンに及ぶ物資も、このCHヘリコプターで輸送してもらいました。3機のガスタービンエンジンが回す、直径約19mのメインローターは近くで見ると大迫力。大きな機体が簡単に浮き上がりますが、地上で見送る際にはダウンウォッシュで吹き飛ばされないように注意が必要です。

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子供の頃から航空機に憧れていた私にとって、とても魅力的な訪問者達。南極の地で間近に触れることが出来て嬉しい限りです。

突然の訪問者「ピーちゃん」

2017/2/27

S17拠点は、沿岸部から約20kmほど内陸で標高も600mあります。そのため"南極"からイメージされる、ペンギンやアザラシなどの生物は見ることができません。そのようなことでS17では我々人間以外の生物は存在することが出来ない、と思っていたのですが、ある日突然の訪問者に驚かされました。

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氷原の地面ギリギリを低く飛び回る姿は正にツバメ!こんな所に鳥が飛んで来ることに驚きです。そしてその鳥は何かを確認するように私達の周りをクルクル旋回します。「鳥だ!」と大声で騒いでいるとこちらに近づいてきて、ひと通り私達や雪上車などの周りを飛ぶとまた何処かへ消えて行きました。

170227_02.jpg正体は「アシナガウミツバメ」という鳥。飛び方やシルエットはツバメにそっくりです。ただ体は大きくハトくらいはあり、尾っぽの付け根が白いのが特徴です。

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正月の過ごし方

2017/2/26

2017年のお正月は、南極大陸上のS17拠点で迎えました。元日とはいえ観測が本格的にスタートした時期で忙しく、全くそのような雰囲気、気分でもありません。ただ食事だけはと、みんなでお餅を焼いたりお雑煮を食べたりしてお正月を味わいました。これで元日が終わるかと思いきや...。なんと小塩さんが筆と墨汁を持って来ているとのことで、夕食の後にみんなで「書き初め」をしようということになりました。

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みんな初めは何を書こうかと悩みなかなか手を付けませんでしたが、一人が書き始めると「漢字合っているかな」とか「漢字の書き順が違う」など盛り上がります。「次は私が書く!」と、次々と筆を交代。用意していた紙は40枚ありましたが、練習書きや失敗もあり、みんなであっという間に使い切ってしまいました。

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もちろん私も書き初めに挑戦。筆で文字を書くのも、何年ぶりか分かりません。とても下手ではありますが、楽しく書いた自信作です。

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みんな好き勝手に次々と書いていき、気が付けば壁一面を埋め尽くすことに。この書き初め作品は、観測がおわり撤収するまでS17食堂棟の壁を飾ることになりました。

南極での食事

2017/2/22

南極大陸上のS17拠点では、45日間雪上車などで寝泊まりしながらの生活です。私自身、出発する前は食事の事が気になっていましたが、おそらく皆さんも「どんなものを食べているのだろう」と思っているのではないでしょうか。
答えを一言でいうと「普通の食事」を食べていました。下の写真は、ある日の朝食・昼食・夕食です。

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S17拠点には食堂棟があり、そのキッチンにはIHコンロをはじめ、オーブンレンジや冷蔵庫などが備え付けられています。また、食材はキャベツなどの生野菜、肉、魚、冷凍食品、缶詰から調味料など、日数と人数分が余裕を持って事前にしらせで配布されたものを持ち込みます。そして小塩さん(メンバー紹介記事参照)が毎日毎食のメニューを考え料理の腕を奮ってくれるので、私達チームはとても充実した食生活を送ることが出来ました。

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料理の写真で気付いた人もいると思いますが、実は食器には毎回食事の度にラップを巻いています。キッチンの写真には蛇口とシンクが写っていますが、実は使用出来ないのです。この食堂小屋は厚さが数100mにも及ぶ氷の平原の真っただ中にあるので、もちろん水道も下水道もありません。そのため貴重な水を極力使わず、そして排水を出さない為にも食器を洗うことはしないのです。鍋やフライパンなどはラップを使う訳にはいきませんので、使用後はロールペーパーで拭き上げます。コップや箸なども同じく拭き上げるだけですが、油汚れは少量のお湯を使うなどすれば意外とキレイに落ちるものです。

このような事情ですので、料理を作るにも様々な工夫が必要だったと思います。もちろん調理道具にも制限があり、材料も持ち込んだもの以外はありませんが、実にバリエーションに富んだ様々な料理を小塩さんは作ってくれました。

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小塩さん、美味しい食事をありがとー!

さて、実は南極では、食事は三食だけではありません。朝食と昼食の間、昼食と夕食の間に、それぞれ「中間食」というものを取ります。午前と午後に1回ずつの休憩時間があり、パンやチョコレート、クッキー、カップラーメンなど好きなものを食べるのです。もちろん三度の食事は十分な量を食べています。いや、むしろご飯などはかなり多めの量になっています。その上に中間食も食べるので、はじめは太らないか心配でした。しかし、一日の大半を氷点下の屋外で作業をしているので、やはりエネルギーをかなり消費するのでしょう。時間が来るとお腹が減ってしまい、ちゃんと食べる事ができるのです。日本では絶対に食べない量の食事を続けて太ってしまわないか心配していましたが、45日間のオペレーションが終わり体重を計ってみたら1〜2kg痩せていました。

再びしらせに

2017/2/20

南極大陸上のS17での観測と昭和基地での任務も無事に終わり、2月10日には再びしらせに戻って来ました。あと1ヶ月ちょっとで帰国です。ホッとしたのと同時に、もう少しで南極を離れると思うと寂しくもあります。

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しかし、しらせは直ぐにオーストラリアに向けて帰る訳ではありません。まだ海洋観測や地質、生物などの観測がありますので、しばらくは南極大陸沿岸に沿って東に移動を続けます。その間、私達S17チームもしらせ艦上で気象ゾンデを使った観測を行います。

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気象ゾンデの観測は、ヘリウムガスを入れた大きなゴム風船にゾンデと呼ばれる観測装置をぶら下げ、その観測した情報を電波で地上に送ります。およそ高度25kmまで上昇し、その間の高度、気圧、気温、湿度、風速、風向、緯度経度を計測し記録します。このゾンデの観測は世界中の様々な所で行われており、それらのデータと合わせ解析されることによって目的に合わせた気象予測や研究に活用されるのです。

往路のしらせでは風船を途中で飛ばしたり割ったりしないように緊張しましたが、S17で毎日朝晩行っていましたので放球作業(ゾンデを放つ作業)も随分と慣れたものになりました。しかし最後まで気を抜かないように作業にあたりたいと思います。

昭和基地は60周年

2017/2/20

昭和基地は南極大陸から4kmほど海を挟んだ東オングル島にあり、島全域に様々な建物や設備、観測機器が設置されています。
今年で開設されてちょうど60周年を迎えるという昭和基地。越冬隊の生活の中心となる管理棟をはじめ、観測棟など現在約70棟ほどの建物があります。観測用の巨大なアンテナなども沢山あり、想像していたものより規模が大きく驚いてしまいました。

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 施設は島内に点在している

また、夏ということもあり島には積雪も少なく、大部分に岩と土だけの地面が露出ています。緑(植物)が全く無いこともあって、一種独特な光景です。私にとっては、オーストラリアのフリーマントルを出発して約二ヶ月半ぶりの地面。久しぶりの土との対面でした。


管理棟には越冬隊が生活する居住棟も接続され、生活に必要な様々な設備が整っています。食堂やお風呂、手術室も備えた医務室、そしてバーもあります。

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 昭和基地の中枢部である管理棟

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 万が一の際は手術も可能

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 バーテンダーも隊員がやります

夏の間だけ、夏隊隊員などで人が多く基地に滞在することになります。その場合、第1、第2夏期隊員宿舎(夏宿)の二棟に宿泊します。今回、私は第1夏宿に3泊お世話になりました。第1夏宿は2階建てで、一階に食堂、二階にトイレ、風呂、寝室があります。建物の内部は全て暖房が効いていて快適に生活が出来ます。

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 私が宿泊した第1夏期隊員宿舎

寝室は前回の記事で紹介したように、二段ベッドが2つある4人部屋(というか空間)。ベッドにはカーテンがありますので、一応のプライベート空間も保てるようになっています。そして、ありがたいことにWifiが完備され、回線の負担にならない程度ならインターネットやメール、LINEやSNSも可能です。往路のしらせとS17拠点にいる間はネットから切り離された生活をしていたので、このWifiはとても有難く感じました。

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南極大陸上での観測は無事に終了

2017/2/17

南極大陸上S17拠点での私達の観測は無事に終了し、2月16日現在、「しらせ」に戻ってきています。しかし南極大陸での仕事や生活については、まだまだ書き足りません。そこで話は前後してしまうことになりますが、今後も南極大陸(S17拠点)などでの様々な話題を継続してブログに書いていきたいと思います。

さて、S17拠点は2月4日に撤収し、私達は一旦しらせに戻り、その後7日から10日に掛けて昭和基地に滞在しました。昭和基地ではドローンを使った施設点検などを行いましたが、私にはもうひとつのとても大きなミッションがありました。

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それはテレビタミンの「テレビタ特派員(電話生中継)」です。 長年テレビに携わる仕事をしていますが、生番組で電話リポートするなんて初めてのことです。しかも南極から不安定な衛星電話で通信をしなくてはなりませんので、多少なりとも緊張はしました。

さて、その結果は...。このブログ記事の前の記事に、その時の放送の動画がアップロードされていますので是非ご覧下さい。

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上の写真は、昭和基地の宿舎の一室でテレビタミンに電話で出演中の私。窓に設置してあるのは衛星電話のアンテナです。通常、衛星電話は空が見える屋外で使用しますが、この日は非常に風が強いために通話が難しい状況でした。そこで電波状況がよく落ち着いて電話ができる静かな場所を探していたところ、宿舎のこの部屋に辿りついたのです。ちなみにこの部屋、両側に二段ベッドがあり4名分の寝室となります。私の部屋ではありませんが、衛星電話の感度が一番よい場所でしたのでベッドの主には協力して頂きました。おかげでテレビタミンの電話リポートも途切れることなく無事に終えることができたわけです。

「南極日記」関連放送 テレビタミン特派員情報にて報告

◎2月8日(水)16:53「テレビタミン」

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