信子かあさんのちょっとひといき

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Vol.16「夢の世界」

2018年1月19日更新

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小さい頃、何才くらいだったかなあ? 幼稚園児の頃?いや、もっと前?

よく覚えていないのですが、ある日、大牟田だったか、八代だったかで、高い煙突を見ました。

煙突からは沢山の白い煙が、青空に向かって勢いよく上っていきます。

わあっ!!

わたしは興奮しました。

ここが雲を作っている工場なんだ!!と、その時 本気で思ったからです。


雲に関してもうひとつ。

これもまた小さい子どもの頃の思い出なのですが、両親と弟と一緒に、父の運転する車で阿蘇に行ったときのことです。

窓から見ると、山の中腹に雲が見えました。

えっ?! おとうさん! あの雲の中を車で通るの?この車で?!

すごい!!雲の中を通る!!雲の中に入れる!!そんなの初めて!!

たまらなく嬉しくて、わたしの胸は高鳴りました。

車はどんどん山道を進んでいきます。

わたしはドキドキしながら"その時" を待ったのですが... あれ? あれれれ?...

いつのまにか車は、頂上に着いてしまいました。

おとうさん!雲は?雲の中は?と尋ねてみると、父は「もう通ったよ」と答えました。えっ?

何のことやらさっぱりわからなかったわたしに、父は、さっき通った霧のようなものが雲だったのだと教えてくれました。えっ?... えええええっ!!


それが、 "真っ白いフワフワの 綿菓子のような雲" という存在が、わたしの中から消え去った瞬間でした。

(๑>◡<๑)


...


わたしは、いろんなことを空想するのが とても好きな子どもでした。

寝ている間に人形やぬいぐるみが動くのは当たり前。魔法使いも妖精もいる。動物や木々も話すことができる...そんな夢の世界に、いつでも行くことができたのです。


今、テレビの子ども番組を見ながら、ふと思います。

わかりやすい映像。正しい情報。しっかりした解説。

きっとそれはいいことだけど、とってもいいことなんだけど、でも、わたしの子ども時代には、見たことがない、聞いたことがない、情報が少ないからこそ、想像を膨らませる... そんな余地があったんじゃないかなぁ....


ものは少なかったけれど、限りなく広がる夢の世界に住むことのできていたわたしは、案外 豊かな子ども時代を過ごせていたのかもしれません。

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